初優勝! 美人ゴルファー・藤田選手から、パットの重要性を学ぶ


 はじめまして、小暮博則です。今回からプロゴルファー選手のプレーを題材にして、みなさんにも役に立つようなアドバイスをしていきたいと思っています。

さて第1回目は、国内女子ツアー「フジサンケイレディスクラシック」最終日(4月26日)の藤田光里選手のプレーを振り返っていきましょう。

 藤田選手は、最終18番で劇的なチップインバーディを決め、プロ3年目でツアー初優勝を飾りました。優勝を決めたショットは、グリーン右奥エッジからの第3打で、藤田選手はパターを選択しました。

 この日奪った前半の3つのバーディはすべて“下りのフックライン”。「昨日はスライスライン、今日はこのラインがよく入るなと思っていたので、自信を持って打った」。

 藤田選手のコメントにある『得意なライン』とはどういったことを指すのでしょうか。

 全てのラインが入ってほしいと願えども、実際にプロでもそうはいきません。パットでの得意なラインとは、プロの場合は持ち球と同じ状況、藤田選手の場合ドローボールなのでフックラインがイメージしやすいと言えます。総じてドローヒッターは、パッティングでも右へ打ち出すことを好む傾向があります。

右端に切ったピン位置ではドローヒッターはグリーン右カラーから攻める必要があり、バンカーやラフにつかまる危険があります。 ドローヒッターにとって、左端にあるピン位置はショットもパットも左曲りへの延長線上にあり、イメージが湧きやすいといえます。ランが計算しやすいドローヒッターにとって左奥は攻めやすく、ボールを止める事が計算できるフェードヒッターにとっては右手前が攻略しやすいと言えます。

パッティングの距離感については、プレー当日、一番初めに気持ちを込め、入った距離がイメージしやすく、一番初めに外してしまった距離がイメージしにくいと言えます。 ミドルパットの良いイメージは再現しやすく、ショートパットの悪いイメージはいつまでも残りやすい傾向があります。

 得意なラインが日によって変わるかどうかは、あくまでも本人の感覚でもありますが、それ以上に、重要なのはピン位置やファーストパットのイメージだと言えます。また、当然、コースの難易度や距離にも影響されます。

 スライスの入る確率 > フックラインの入る確率の場合は、スライスが入りやすい日となるでしょう。

 特筆すべきは、優勝を決めたパットが下りのラインであったことです。ショートを心配する必要はなく、距離感と方向性の2面を考えるような上りの場面と違い、ラインだけに集中できたと言えます。

 よく言われている話がありますが、初優勝がかかった緊張した場面では下りのパットを残した方が良いのです。その理由は、上りのパッティングに比べて、ラインだけに集中できるからです。

 また、アマチュアの方のスタート前パッティング練習法として、以下の内容が考えられます。

・上りのフック→ オーバー→ 下りのスライスを本番想定して練習
・下りのスライス→ オーバー→ 上りのフックを本番想定して練習

 スコアを伸ばすとは、オーバーさせることであり、返しが必ず避けられません。スコアを伸ばすのも、崩すのもパットです。スタート前にリハーサルを行うことをオススメします。

 

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◆小暮博則(こぐれ・ひろのり)
1972年11月27日生まれ。埼玉県出身。明治大学商学部商学科卒業。JGTO(日本ゴルフツアー機構)プロ。PGAティーチングプロ。2003年 JGTO ファイナルQT進出。2013年から東京慈恵会医科大学ゴルフ部コーチに就任している。就任後、同大学は2013年度全日本医科大学ゴルフ連盟秋季大会個人優勝、2014年度全日本医科大学ゴルフ連盟春季大会団体優勝を果たす。PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)のゴルフスクールを主宰し、赤坂(東京都)と小手指(埼玉県)にて展開している。 著書に『一生ブレないスイング理論 “左重心スイング理論”でゴルフの常識が変わる』(カンゼン)がある。

PFGA(パーフェクトゴルフアカデミー)ゴルフスクール
http://pfga.co.jp/

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