◆女子プロゴルフツアー 宮里藍サントリーレディス プロアマ(8日、兵庫・六甲国際GC=6527ヤード、パー72)
昨年大会覇者の青木瀬令奈(フリー)が、プロアマ戦後に会見を実施。連覇へ向けた意欲などを明かした。
この日のラウンドでは、前巨人監督でスポーツ報知評論家の高橋由伸さんと同組でまわった。家族がG党で、幼少期には試合を見ていたと明かし「憧れのテレビの中の存在だったので、すごく光栄だった。すごくゴルフがお上手で。ゴルフの質問をたくさんしていただき、常に吸収する姿勢が勉強になった」と刺激を受けた様子だった。
今季はここまでの14戦でまだ優勝こそないが、トップ10が5度。コロナ禍で2年間にわたった昨季は46試合で同7度だっただけに、「今年の成績は、去年までと比べると結構いい。ショット自体の調子が決していいわけではないなかで、何とかスコアをまとめられている傾向にあるので、試合に入れば日に日に良くなってくるんではないかという来たいがある」と手応えをにじませた。
成長の要因として挙げたのは2点。1つは、昨年のこの大会から付け始めた「ざんげノート」だ。「今週なぜ勝てなかったか、どうやったら勝ちに近づけられるか、ということを書き始めて1年続けている。練習量は変わらないが、ゴルフをしているとき以外でも、それを考え続けてきた。去年まではトップ10に入れたり、(賞金を)7ケタ稼げたと満足する要素があったが、今年は全く満足してなくて、なぜ勝てなかったかを突き詰めている」と取り組みの一端を告白。今季は最終日にスコアを上げる傾向が強く、「『まくりの青木』と言われ始めている」とまんざらでもない笑みを浮かべつつ「最終日になんで私はこんな位置にいるんだという怒りから、爆発的なスコアが出ているのかなというのは正直ある」とノートの効果を明かした。
もう1つは、昨年大会Vでつかんだ全英女子オープンでの経験だ。初のメジャーで結果は予選落ちだったが、大きな収穫があった。「日本の選手は(例えば)ウッズのようなきれいなスイングを目指していて、逆に言えば、自分の個性を消してしまう。でも全英でいろんな選手のスイングを拝見して、癖が強いのを直すのではなく、良さとして捉えているのが印象的だった」。最高峰の舞台で感じたことを参考に、オフの練習はこれまでと異なるアプローチで臨んだ。「今までだったら1ヤードでも飛ばせるようにとか、はやりのスイングを試すとかやっていたが、逆に変えない勇気。自分の良さ、個性を伸ばそうと、スイングをいじらずに詰めていった」と説明。加えて試合ではショットのミスなどにとらわれず、目の前にあるボールの位置から、いかに最少でカップを目指すかという「ゴルフの真髄(しんずい)というか本質を学んだ」と“原点回帰”が奏功していると強調した。
連覇のかかる今大会。もちろん、優勝の先には2年連続の全英切符がある。青木は「去年、全英に行った時は最高に楽しかったが、(予選落ちで)最高に悔しかったので、また勝って全英に行きたい思いが一番ある」と言葉に力を込めた。