目指すは300ヤード! 「天才少女」須藤弥勒が横峯良郎監督の指導でスイング改造


北海道合宿で横峯良郎氏(右)の指導を受けてスイング改造に乗り出した須藤弥勒(提供写真)

北海道合宿で横峯良郎氏(右)の指導を受けてスイング改造に乗り出した須藤弥勒(提供写真)

 史上初のジュニアゴルフ世界4大メジャーのグランドスラムを達成し「ゴルフ天才少女」と呼ばれる須藤弥勒(ゴルフ5)が、今月から指導を受ける横峯良郎氏のもと大胆なスイング改造に乗り出したことが26日、分かった。現在、北海道・美唄市のゴルフ5カントリー美唄コースで合宿中。日本女子ツアー通算23勝の横峯さくら(エプソン)の父で元コーチの良郎氏の熱心な指導を受け、弥勒は300ヤードのビッグドライブを可能にするために新たな練習を始めた。

 雄大な北の大地で、弥勒はビッグに生まれ変わろうとしている。「監督」と呼ぶ良郎氏の指導でスイング改造に着手。これまでコンパクトで正確なスイングで、ジュニアのゴルフ4大メジャー5勝&グランドスラムを成し遂げたが、将来を見据え、飛距離が出る大きなスイングにメジャーチェンジする。

 「今回、横峯監督と一緒に北海道合宿をさせてもらっています。コースを回りながら、本格的な指導を受けるのは初めてですが、とても楽しいです」。練習場でボールを打ち込み、コースでは実践的な練習を積んでいる弥勒は充実感あふれる表情を見せた。

 三女のさくらをはじめ、長女の瑠依、日本男子ツアー2勝の香妻陣一朗、同2勝の池村寛世、同1勝の出水田大二郎、日本女子ツアー1勝の香妻琴乃らを幼少時に指導した良郎氏は、弥勒の理解力と潜在能力を高く評価する。「さすが『天才』と呼ばれるだけのことがある。弥勒ちゃんは俺がアドバイスしたことをすぐに実践することができる。時間はかかるけど、中学生か高校生になったら、横峯さくらより飛ぶようになるよ」。良郎氏は、155センチの小柄ながら大きなスイングでビッグドライブを誇る元賞金女王を超えることに太鼓判を押した。

 62歳と11歳。年の差51歳の個性派師弟コンビは、ここ一番で振り切った時には300ヤードのビッグドライブを目指すという。

 弥勒は大幅なスイング改造に加え、練習ラウンドの方法も大きく変えた。これまでジュニアの大会に合わせ、5000~5500ヤードのレディースティーで回っていたが、良郎氏のアドバイスで、今回の北海道合宿から6500ヤード以上のバックティー、あるいは約7000ヤードのチャンピオンティーで回ることにした。「練習ラウンドでスコアは関係ないからね。いろんなライでたくさんボールを打った方がいい」と良郎氏は理由を明かす。

 北海道合宿に帯同している母・みゆきさんは「横峯監督のご指導は本当に細かく、びっくりするほど繊細です。弥勒は大きく成長できると信じています」と感銘を受けた様子で話した。

 今年1月からアマ資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、弥勒のもとにはオファーが殺到。その中でゴルフ5と所属契約を結ぶなど、現在、12社・団体のスポンサーを持つ。出色の11歳のジュニアゴルファーは「伝説的なゴルファーになります」と公言する。その野望に向けて、2022年夏の北海道合宿は大きなターニングポイントとなりそうだ。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。11歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの指導を受ける。17、18年に世界ジュニアゴルフを連覇。20年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権で優勝。今年6月にジュニア欧州選手権を制し、ジュニアメジャー5勝目。同時に史上初のジュニア4大メジャーのグランドスラムを達成した。現在、ドライバーの飛距離は210~220ヤード。家族は父、元フィギュアスケート選手の母・みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。145センチ、52キロ。

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