山下美夢有、大差も攻め抜き大会新18アンダーでVに「きょうは100点」


18アンダーで優勝を決めトロフィーを手にする山下美夢有(カメラ・小泉 洋樹)

18アンダーで優勝を決めトロフィーを手にする山下美夢有(カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー ▽ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン 最終日(25日、宮城・利府GC=6491ヤード、パー72)

 大会特別協賛の住友ゴム工業と用具契約する山下美夢有(21)=加賀電子=が、通算18アンダーの大会新記録でホステス大会初優勝を飾った。8打差首位で出て2バーディー、1ボギーの71。通算で大会記録を3打更新した。18ホールのツアー新記録「60」を出した初日から首位を譲らず、5打差をつけて今季3勝目&通算4勝目。1988年のツアー制施行後、歴代3位に並ぶ12試合連続のトップ10入りも果たした。驚異的な安定感を見せる21歳は、初めて年間女王獲得も宣言した。

 男女を通じて唯一の東北開催大会で、山下に“実りの秋”が訪れた。8打リードの最終日最終組でも攻め抜いた。18番で1メートルのパーパットを沈めて5打差の圧勝。大喝采の中、余裕の笑みでお辞儀した。「今日は100点。しっかり攻めのゴルフができた。最終組は緊張もしますし、思うようなプレーもできない。今回、優勝できたので自信になりました」

 3戦連続の最終日最終組だった。首位から逆転を喫した、日本女子プロ選手権など2戦連続でV逸。「最終日になると考え過ぎて、淡々とプレーできていない」とコーチの父に加え、男子ツアー48勝で昨年から指導を受ける中嶋常幸(67)からも指摘された。山下は「悩み過ぎてプレーが遅くなる。淡々とプレーするにはリズムだけ」と意識を変えた。

 今大会から投入した住友ゴム工業社製の新ドライバーで、フェアウェーを捉え続けた。3番で2メートルにつけてバーディー。12番で5メートルから3パットで今大会初ボギーも、14番で5メートルを沈めて伸ばした。今季2勝目を飾った、6月の宮里藍サントリーレディス以来12戦連続のトップ10入り。上田桃子に並ぶ歴代3位の記録となった。成長著しい21歳は「まだまだ試合が続く。メルセデス(ポイントランク)1位も取りたい」と年間女王獲得を初めて公言した。

 150センチ、52キロと小柄。「体重が3キロ落ちて、力みが出て左右に曲がった」という昨季終盤を反省し、今年は走る量に加えて「好きな物を好きなだけ」と食事量を増やして体重を維持。この週はご当地名物の「牛タンとステーキ」で連日、栄養補給。「なるべく帰る」と関西の自宅では、3匹の愛犬との時間が最高の「癒やし」だという。

 次週は最高峰のメジャー、日本女子オープン(29日開幕、千葉・紫CCすみれC)。「力まずにやるべきことをして、普段通りプレーできたら」。年間女王へ通算5勝目をつかみ取りにいく。(榎本 友一)

 ◆山下 美夢有(やました・みゆう)2001年8月2日、大阪・寝屋川市生まれ。21歳。大阪桐蔭高3年時の19年に全国高校ゴルフ選手権で優勝。同年11月のプロテストに合格し、昨年4月のKKT杯バンテリンレディスで初優勝。今年5月のワールドレディスサロンパスカップでメジャー初V。今季獲得賞金は1億6151万8666円でツアー1位。150センチ、52キロ。家族は両親と弟、妹。

 ◆山下の優勝用具 ▽1W=スリクソンZXプロトタイプ(長さ45インチ、ロフト角9.5度、硬さSR)▽3、5W=スリクソンZXプロトタイプ▽4UT(22度)、5UT(25度)=スリクソンZX▽6~9I、PW=スリクソンZX5▽48、52、58度ウェッジ=クリーブランドRTX ZIP CORE▽パター=オデッセイ・ホワイトホットOG2ボール ブレード▽ボール=スリクソンZスターXV(パター以外は住友ゴム工業社製)

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