小平智が4年ぶり2度目の大会制覇に王手「父親に優勝を見せてあげたい」


16番ティーショットを放つ小平智。通算11アンダーで単独首位に立った(カメラ・今西 淳)

16番ティーショットを放つ小平智。通算11アンダーで単独首位に立った(カメラ・今西 淳)

◆報知新聞社主催 国内男子プロゴルフツアー 今季最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 第3日(3日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)

 2018年大会覇者の小平智(Admiral)が4バーディー、1ボギーの67で回り、通算11アンダーで2位に2打差をつけて首位を守った。ラウンド後は「3日間、落ち着いて回れているのは合格点」と冷静に振り返った。

 静かにパーを重ね続けた前半の9番。左下エッジからの8メートルの上りをしっかり打ち切り、カップ真ん中から沈め、この日最初のバーディーを奪った。「ロングパットのタッチが合っていて、ストレスなく打てていることが大崩れしない理由」。16番では10メートルのバーディーパットを決めた。

 今年に入り、戦うマインドを変えた。きっかけはタイガー・ウッズのユーチューブだった。「一打一打、その場面に集中するんだ」とウッズは言った。自称「タイガーマニア」は、すぐに実践した。以前は「優勝したい」「今日はいくつ伸ばさないと」と思いながら回ることが多く「自分にプレッシャーをかけすぎて、イライラしていた」。

 最近は上位にいる試合のリーダーボードを見ても慌てることはなくなった。「あ、下が伸ばしてるな」と思うだけ。「自分の最善を尽くして負けるなら悔いはない」という境地に至った。

 今大会は、特別な思いを抱き戦っている。「父親に優勝を見せてあげたい気持ちが強い」。元レッスンプロでゴルフを始めたきっかけでもある父・健一さんが肺を患い、入退院を繰り返す現状だ。実家はコースから車で約30分。4日朝の体調次第で来場する。父のために最後の18ホールを戦い抜く。

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