アマチュアの中野麟太朗が3アンダーで暫定首位「プラン通りのゴルフができた」…フジサンケイクラシック第1R


初日を3アンダーで終え、取材に応じる中野麟太朗(カメラ・富張萌黄)

初日を3アンダーで終え、取材に応じる中野麟太朗(カメラ・富張萌黄)

◆男子プロゴルフツアー フジサンケイクラシック 第1日(31日、山梨・富士桜CC=7424ヤード、パー70)

 今年の日本アマチュア選手権を制した中野麟太朗(早大2年)が4バーディー、1ボギーの67をマークし、暫定首位となった。レギュラーツアー参戦は5回目。過去4度はいずれも予選落ちと高いプロの壁にはね返されたが、この日は幸先の良いスタートを切った。トッププロも苦戦する今年のコースセッティングに「バーディーじゃなくパーを取るゴルフ」を心がけ、大きなミスなく初日を終えた。

 10番スタートのこの日は15番で10メートルを沈め、最初のバーディー。後半の1番でスコアを落とすも、6番から3連続バーディーとした。「3連続(バーディー)はできすぎだけど、プラン通りのゴルフができた。攻守両方できた」と充実の表情で振り返った。フェアウェーキープを最優先とし、好スコアにつなげた。

 6月に日本アマで優勝し、自信を持って臨んだ今月3~6日に開催された、横浜ミナトチャンピオンシップは、2日間で9オーバーの130位。「まだまだなんだなということを知った。そこから日本一になっても、おごることではない。これからもちゃんとやらないとプロでは活躍できない」と実感した。悔しい経験を糧に今大会は、短所やミスを受け入れ、逆にプロ相手に勝てる武器は何かを整理して臨んだ。それが「コースで証明できた」と手応えをつかんだ。

 今大会は初めて父・恵太さんがキャディーを務める。プレーの途中、コースにクラブを2本忘れるハプニングもあったが、競技委員に届けてもらい、事なきを得た。「びっくりした。何してるんだろう」と苦笑した。出場が決まった直後は早大ゴルフ部の友人にキャディーを依頼する予定だったが、合宿中のために断念。ハウスキャディーの利用が認められず、今月上旬に父とのタッグが決まった。恵太さんは体力作りのため、毎日30分ランニングを行ったという。

 中野がゴルフを始めたきっかけは、父が読んでいた漫画「あした天気になあれ」だ。その後も「黄金のラフ」、「KING GOLF」を読み、テレビで石川遼の活躍を見て、のめりこんだという。得意クラブはドライバーだが、高校生の時は非力で一般的な中学生よりも飛距離は出なかったという。高校2年の2月に坂詰和久氏に指導を受け、急成長。大学からスカウトも受けるような存在になり、「自分が初めて、上を目指せる選手になったんだと思った」。プロで活躍するために学ぶ目的で、早大スポーツ科学部に進学した。大学の授業もこなし、文武両道の生活を送る中野がツアー史上7人目のアマチュア優勝へ、大きな一歩を踏み出した。

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