「ゴルフ天才少女」須藤弥勒が賞金総額300万円の全日本選手権「優勝狙います」100Mの超ロングパットにも自信


プロパッティングツアー全日本選手権でビッグタイトルと優勝賞金100万円を狙う須藤弥勒(提供写真)

プロパッティングツアー全日本選手権でビッグタイトルと優勝賞金100万円を狙う須藤弥勒(提供写真)

 推定総額3億6000万円のスポンサー契約を結ぶ「ゴルフ天才少女」須藤弥勒(12)=ゴルフ5/太陽自動車=が17日、賞金総額300万円(優勝100万円)をかけたプロパッティングツアー最終戦の全日本選手権(18~19日、兵庫・新宝塚CC)で「日本タイトル」獲得に強い意欲を示した。この日、現地のコースで練習を行った弥勒は「全日本選手権覇者の称号と100万円の優勝賞金を勝ち取りたいです」と笑顔を見せながら意欲的に話した。

 パッティングツアーは、その名の通り、パットだけのグリーン上の勝負。約2メートル~約20メートルの距離で18ホールが設定され、パー36の予選ラウンドを行う。上位6人(首位と2打差以内)が予選ラウンドの成績を持ち越して3ホールの決勝ラウンドで最終順位を決める。弥勒は将来を見据えてパットの技術を磨くため、2年前から同ツアーに参戦。今季は第13戦(6月11日)で悲願の初優勝を果たし、第26戦(10月7日)で2勝目を挙げた。ポイントランク5位で最終戦の全日本選手権に進出した。

 弥勒は全日本選手権は3度目の挑戦。一昨年は予選敗退。昨年は予選ラウンドをトップ通過したが、決勝ラウンドでは降雨によって大きく変化したグリーンのスピードに対応できずに14位に後退。大粒の悔し涙を流した。「昨年の敗戦を忘れずに、父(憲一さん)と猛練習を続け、今年はツアーで2勝を挙げることができました。パットに自信がつきました」と弥勒は意欲的に話す。

 今大会の会場となる新宝塚CCの練習グリーンは約3000平方メートルで世界最大級を誇る。2017年には世界ギネス記録にも認定された広さで、しかも、5段グリーンで構成されている。19日の決勝ラウンドでは最長100メートルの超ロングパット勝負も設定される見込みという。弥勒に帯同して世界のゴルフコースを見てきた母・みゆきさんは「こんなに大きくて高低差があるグリーンは見たことがありません」と驚きの声を上げる。弥勒は「私も最初にこのグリーンを見た時はびっくりしました。100メートルのパットの練習を初めてしました。練習を重ねて距離を合わせられるようになってきました。段差もすごい。このグリーンを攻略できればプロになった時にこの経験を生かせると思います」と前向きに話した。

 昨年1月にアマ資格の規定改定によってアマ選手も無制限でスポンサー収入を得ることが可能になり、抜群の存在感を持つ弥勒にはオファーが殺到。これまでに所属契約のゴルフ5をはじめ、12社・団体とスポンサー契約した。今月には弥勒の自宅がある群馬・太田市に本社を置く太陽自動車と所属契約を締結。ゴルフ5と所属契約も続行するため異例のダブル所属となった。関係者によると、全てのスポンサーの契約料を合計すると3億6000万円に上る。

 父・憲一さんは「スポンサー料は弥勒のゴルフのために使う」という方針を堅持。1000万円以上を投資して、自宅の屋内ガレージに弾道測定器2台、多方面から撮影するカメラ5台、弾道などを即時に解析できる最新鋭の機器を設置した。

 また、昨年のアマ規定の改定によって、ドライビングコンテストやパッティング大会などでアマチュアは上限なしで賞金を得ることも可能になった。弥勒は両親との約束で、プロパッティングツアーで獲得した賞金は自由に使えることになっている。

 「優勝賞金は100万円はすごい。1か月のお小遣いが1000円の私には、想像がつかない金額です。実は100万円で買いたい物があります。今は内緒ですけど、100万円をゲットしたら発表します。100万円を目指して頑張ります!」。12歳ながら旺盛な“プロ魂”を持つ弥勒は、意欲満々で日本タイトルを取りに行く。

 ◆須藤 弥勒(すとう・みろく)2011年8月6日、群馬・太田市生まれ。12歳。1歳からゴルフを始め、東大出身の父・憲一さんの緻密な指導を受ける。17年に大会史上最年少で世界ジュニアに優勝。18年も連覇した。19年にマレーシア世界選手権、21年にキッズ世界選手権、22年6月にジュニア欧州選手権優勝し、ジュニアゴルフ界の4大メジャーを制覇。昨年8月に横峯良郎氏に弟子入り。昨年、アマチュア資格の規定が大幅に改定され、アマチュアゴルファーも無制限でスポンサー収入を得ることが可能になったことで所属契約のゴルフ5をはじめ、13社・団体とスポンサー契約した。ピアノも得意で今年7月の第24回北関東ピアノコンクールのプレコンペティション部門(ソロ)小学校6年生の部で銀賞を受賞。家族は父、元フィギュアスケート選手でピアニストの母みゆきさん、兄・桃太郎君、弟・文殊君。150センチ、50キロ。

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