◆男子プロゴルフツアー ダンロップフェニックス 最終日(17日、宮崎・フェニックスCC=7042ヤード、パー71)
7打差3位で出た2014年大会覇者の松山英樹(32)=LEXUS=は6バーディー、1ボギーの66で追い上げたが、通算18アンダーで2位だった。今季初出場となった日本ツアーでの8年ぶりの勝利には4打及ばなかったが、自身の今季最終戦で優勝争いに加わり、最後まで大会を盛り上げた。米下部ツアー3勝のマックス・マクグリービー(29)=米国=が69で回り、大会記録を1打更新する22アンダーで逃げ切って優勝を飾った。
松山はパターを落とし、両手を膝についた。反撃モードの4打差で迎えた14番。スライスラインと読んだ1メートル強のバーディーパットは、カップ左を抜けた。「後半のパットが入っていれば、プレッシャーをかけられたと思うけど、全部外してしまった。戦いは終わっちゃったなという感じだった」と悔しさを込めた。
序盤から惜しいパットが続き、何度も天を仰いだ。9番で5メートルのバーディーパットを沈め、差を5打に縮めた。大逆転劇を演じた2月のジェネシス招待も、ハーフターンでの差は「5打」だった。「勝ったこともあったので、10番で相手が曲げて、ここだと思ったところでボギーを打ってしまった」。勝負どころでの、この日唯一のパーオン逃しで、流れをつかみ損ねた。
来季を見据え、スイングに新たな試みを取り入れ調整を続けてきた。「上位で戦えたことはプラス。悪い状態ながらもバーディーを取れた。そこはよかった」。米ツアーで2勝を挙げ、パリ五輪では日本男子初の表彰台となる銅メダルを獲得した2024年の最後に、ホスト大会でさすがの存在感を示した。「あと1か月で、どう調整していくかを考えたい」。ザ・セントリー(1月2~5日、ハワイ州)から、新たなシーズンをスタートさせる。(高木 恵)
◆賞金王争い大混戦
賞金王争いは大混戦のまま残り2試合を迎える。次週のカシオワールドオープン(21日開幕、Kochi黒潮CC)と最終戦の日本シリーズJTカップ(28日開幕、東京よみうりCC=報知新聞社主催)はともに優勝賞金4000万円の高額大会で、5位の石川遼(33)=カシオ=までは次戦でトップに浮上する可能性を含む。
約1億957万円でトップに立つ平田憲聖(23)=エレコム=は今大会を25位で終え、「自分がいいゴルフをするしかないと思うので、来週、再来週と貫きたい」と気を引き締めた。2位につける金谷拓実(26)=Yogibo=は9位に入り、最近全5試合で優勝を含むトップ10入りと好調を維持。平田に約289万円差まで接近した。「今週も精いっぱいのプレーはできた。来週からも自分らしいプレーを続けていきたい」と闘志を燃やした。