
ウィニングパットを決めてバンザイする木村(カメラ・今西 淳)
◆女子プロゴルフツアー 富士通レディース 最終日(19日、千葉・東急セブンハンドレッドC=6697ヤード、パー72)
プロ11年目の木村彩子(29)=コンフェックス=が3年ぶりとなる2勝目を挙げた。首位で出て6バーディー、2ボギーの68をマークし、通算12アンダーで制した。初日44位の出遅れから猛チャージを重ね、優勝賞金1800万円を獲得した。木村は「石ころ世代」と自虐するが、1995年生まれの優勝者は今季最多の5人目だ。次の目標はメジャー制覇。大の車好きで、3勝目を挙げたら両親から許可が出る高級車「ランボルギーニ」購入の野望をぶち上げた。
台本通りのガッツポーズだった。小雨が降る最終18番。木村は短いパットを沈め、両手を広げた。緊張で眠れなかった前夜にイメージした優勝の瞬間に「カメラマンさんの位置を確認してポーズした。ダサいかも…」と照れ笑い。同い年の永峰咲希、柏原明日架とハグし「うれしい。最高の瞬間」と3年ぶりVを喜んだ。
初日は44位に沈み、不調のパットを南秀樹コーチの指導で修正。2日目に自己最少64で首位浮上し、この日は4番で4メートル、13番で5メートルを沈めて独走した。22年アース・モンダミンカップで6打差逆転で初優勝後は勝てず。「もう勝てる選手じゃないのかなと。競って優勝した経験がなくて不安だった。緊張に打ち勝ててうれしい」とかみしめた。
23年夏からトップを高く上げるスイングに改造。同い年の堀琴音を参考にし、ショットの安定性が増した。磨けば光る「石ころ世代」と自虐する95年度生まれは今季、堀ら4人が優勝。祝勝会に出る度に「早く応援されたい」と思いを強くした。来月2日で30歳。「うちら中堅より上じゃん、ヤバくない?って話している。これからも同級生で盛り上げたい」と声を弾ませた。
愛車はイタリアの高級車マセラティ。初優勝時は2000万円超の「BMW M8」を購入したが、キャディーバッグが入らず半年で売却し「めちゃ赤字でした」。母・美保さん(61)から、3勝したら新車購入を許されており「ランボルギーニのウルスがほしい。一番の目標はメジャーチャンピオン。リコー杯で勝ちたい」と威勢良く宣言した。(星野 浩司)
◆木村 彩子(きむら・あやこ)1995年11月2日、大阪・枚方市生まれ。29歳。10歳でゴルフを始める。2014年に千葉・聖徳大付女高を卒業。15年7月のプロテストに2度目の受験で合格。18年に賞金ランク43位で初の賞金シード。22年アース・モンダミンカップで初優勝。趣味はEXILEのライブ観賞。155センチ、50キロ。家族は両親。
◆今季国内女子ゴルフの各世代優勝者 95年度生まれは永峰咲希、柏原明日架、金沢志奈、堀琴音、木村の最多5人で5勝を挙げている。98年度「黄金世代」は3人(河本結、小祝さくら、高橋彩華)で計4勝、00年度「ミレニアム世代」は3人(吉田優利、安田祐香、稲垣那奈子)で計3勝、02年度は3人(佐久間朱莉、岩井千怜、内田ことこ)で計5勝、05年度は3人(入谷響、荒木優奈、菅楓華)で計3勝している。