ツアー5人目の3度目賞金王へ今平周吾が男子国内ツアー開幕戦に挑む「年間3勝できればチャンスが出てくる」


男子ツアー開幕戦に向け、コースで調整した今平周吾。今季、3度目の賞金王を狙う(カメラ・渡辺 了文)

男子ツアー開幕戦に向け、コースで調整した今平周吾。今季、3度目の賞金王を狙う(カメラ・渡辺 了文)

 男子プロゴルフツアーの今季国内開幕戦、東建ホームメイトカップは10日から4日間、三重・東建多度CC(7069ヤード、パー71)名古屋で行われる。2018、19年賞金王の今平周吾(32)=ロピア=は8日、コース内で調整。今季「3勝」を目標に掲げるショットメーカーは、史上5人目となる3度目のキングに挑む。

 ツアー5人目の快挙に今平が挑む。国内男子ツアーで3回以上賞金王に輝いたのは尾崎将司、青木功、中嶋常幸、片山晋呉の永久シード選手4人だけ。「3回取りたい思いはある。年間3勝できればそのチャンスが出てくるかな」とクールに話した。これまで10勝を挙げているが、年間3勝の経験はない。キャリアハイの成績からキングを目指す。

 昨年は日本オープンで優勝し、念願のメジャー覇者となった。最終18番で20メートルのバーディーパットを沈めた際の雄たけびは、普段の穏やかなイメージとのギャップから大きな話題を呼んだ。「喜んでくれた人もいるし、そんな感情を出すんだと思ってくれた人もいた」と本人への反響も大きかった。目標の3勝の中にも「日本プロやツアー選手権と大きい大会」と今季もメジャー制覇に意欲を燃やす。

 オフにはクラブを見直した。安定性に不安を覚え、ドライバーはシャフトを変更。アイアンは打感の柔らかいヤマハの未発表モデルに新調した。今大会前に2試合のツアー外競技に出場し「だいぶ良くなってきた」とショットの手応えもつかんでいる。トレーニングもシーズン中より負荷をかけ、下半身を中心に鍛え上げてきた。

 開幕戦のこの大会は23年に優勝している。「コースが広々している。ティーショットが嫌な感じにならないので回りやすい」と相性の良さを実感する。継続中の選手ではツアー最長となる7シーズン連続で優勝しており、「続けたい気持ちはあるので、今年も優勝したい」と記録更新も当然、視野に入れる。国内男子ツアーは来季からポイント制に移行する方向で調整が進められており、シーズン日本一のタイトル「賞金王」が今季で最後になる可能性がある。2年ぶりの開幕戦制覇から賞金王へと突き進む。(富張 萌黄)

 ◆今平 周吾(いまひら・しゅうご)1992年10月2日、埼玉・入間市生まれ。32歳。9歳でゴルフを始め、2008年の日本ジュニアでは松山英樹との最終日最終組対決を制して優勝。高校を中退後、米IMGアカデミーで2年間武者修行。09年全米ジュニア8強。11年にプロ転向。18年は1勝、19年は2勝で2年連続賞金王。昨年10月、日本オープンでメジャー初優勝し通算10勝。継続中の選手では最長の7季連続優勝を記録。165センチ、67キロ。家族は妻。

 ◆3度以上賞金王達成者 国内男子ツアーでは73年ツアー制施行後、4人が達成。〈1〉尾崎将司の12回(73、74、77、88~90、92、94~98年)が最多〈2〉青木功(76、78~81年)、片山晋呉(00、04~06、08年)の5回〈4〉中嶋常幸(82、83、85、86年)の4回。今平が3度目の賞金王となれば単独歴代5位となる。

 ◆ポイント制導入 日本ゴルフツアー機構は、来季からのポイント制導入を目指す意向。米ツアーでは男女とも早くからポイント制を導入。国内女子ツアーは22年に移行した。一部の試合で高額賞金を稼いだ選手が一気にジャンプアップする”不公平感”解消の意味合いもある。男子下部ツアーでは今季からポイント制が導入されている。

最新のカテゴリー記事