富永商事、PGA日本新規大会のプレミアムスポンサーに “食×スポーツ”でASEAN攻勢を後押し


PGAツアー日本大会とスポンサーシップ契約を締結した富永商事株式会社の富永浩司代表取締役社長(カメラ・綾部 健真)

PGAツアー日本大会とスポンサーシップ契約を締結した富永商事株式会社の富永浩司代表取締役社長(カメラ・綾部 健真)

 PGAツアーは8月25日、米男子ツアー「ベイカレント・クラシック・レクサス」(10月9~12日、横浜CC)のプレミアムスポンサーに、青果商社の富永商事が就任したと発表した。パプリカ国内生産No.1の同社が、なぜゴルフに踏み出したのか。富永浩司社長が狙いを明かした。

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 ―国際展開の“看板”にPGA

 同社は8月に締結されたシンガポールでの投資・協業を起点にASEAN展開を加速している。富永社長は「世界に向けた発信力と信頼性を考え、PGAに出会った。挑戦を続ける姿勢に共感した」と語る。富永商事にとってスポンサリングは初の取り組みだ。

 ―パプリカ国内生産No.1のきっかけは事業転換の追い風

 主力のひとつのパプリカは、近年輸入コストの上昇で環境が変化した。2021年に国内生産を本格的に拡大すると、わずか4年で国内シェアNo.1に到達した。「専門商社と農場の資本提携で、事業承継の課題にも向き合える」と、今後の生産体制の強化を見据えている。

 ―ゴルフへの思い

 社長自身は大学時代の米国・カリフォルニア留学時にゴルフを始めた。現地の大学には併設コースがあり、学生ならカートなしで9ドルで回れたという。「最初のクラブは父に買ってもらった入門用バッグ一式で、友人たちとよく練習した」と、身近なスポーツとして親しんだ原体験を明かした。ZOZO選手権(19年~24年、ベイカレントクラッシクの前身大会)も現地で観戦。「我々は野菜のプロ。頂点を目指す気持ちは同じ」と競技の精神と企業姿勢を重ねる。

 ―期待は“日本勢V”

 大会の見どころを問われると「松山英樹選手に勝ってほしい。ホームで戦う意義は大きい。日本勢の優勝を期待している」と言葉に力を込めた。グリーン上の熱戦とともに、国際舞台で存在感を高めたい企業の挑戦も始まる。

 ◇富永商事株式会社1950年兵庫県三原郡三原町志知にて創業。パプリカ、玉ネギ、かぼちゃといった青果の輸入、生産、流通事業を取り扱う商社。兵庫・神戸の本社を中心に国内外におよそ20以上の拠点。従業員数は142名。

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