アマ・岩永杏奈、年少3位の16歳265日Vへ3差7位急浮上!逆転へ「もっと伸ばして」


1番ティーショットを放つ岩永杏奈(カメラ・今西 淳)

1番ティーショットを放つ岩永杏奈(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー スタンレーレディスホンダ 第2日(11日、静岡・東名CC=6435ヤード、パー72)

 16歳のアマチュアで、46位から出た岩永杏奈(大阪桐蔭高2年)が5バーディー、ボギーなしでこの日ベストスコアの67をマークし、首位と3打差の7位に浮上した。初日に人生8回目のホールインワンを達成し、賞金100万円を獲得したラッキーガール。7月の世界ジュニア選手権(米国)で妹・梨花(14)とともに姉妹優勝を飾った天才女子高生が、16歳265日で年少3位のツアー初優勝を狙う。ツアー3勝の河本結(27)=リコー=が69で回り、通算10アンダーで単独首位。

 激しい雨をものともせず、16歳の岩永が猛チャージした。3番で7メートル、4番は5メートルを決めて連続バーディーとパットが好調。12番パー4は残り86ヤードを30センチに寄せるスーパーショットで伸ばした。悪天候ながら平均飛距離は全体10位の246・5ヤード。渋野日向子、原英莉花ら実力者が予選落ちする中で7位浮上し「チャンスはしっかり取れた。危ないパーパットも全部入った」。受け答えの声は小さめだが、喜びはひとしおだった。

 第1ラウンドの6番パー3でホールインワンを達成。アマチュアながら、100万円の高額賞金をゲットし「すごい大金。遊びに行く時に使うため貯金します」と控えめに喜んだ。初エースは小3時に130ヤードをドライバーで決め、小学生で3回、16歳ですでに8回目の超ラッキーガール。エース達成の大会で優勝すればアマ初となる。

 3姉妹の長女。中3年時に日本ジュニア、今年7月に世界ジュニアを姉妹で制して「アマ最強」と称される逸材だ。目標とする22、23年の国内年間女王・山下美夢有と同じ大阪桐蔭高に進学。昨年の伊藤園レディスで一緒に回り、今夏は高校の寮に来た山下に激励された。「飛ぶタイプではない。ショット精度で狙う」。山下の系譜を継ぐショットメーカーだ。

 前週の日本女子オープンで、交流がある15歳・広吉優梨菜(福岡第一高1年)が3位。自身は世界女子アマに出場したシンガポールから結果を見て「自分も頑張りたい」と刺激を受けた。今大会は46位発進した初日は「トップ10入り」を目標に挙げたが、この日は「アマチュアのうちに優勝したい」と上方修正した。

 試合がないオフは「20時間くらい寝る」とマイペースな16歳。3打差逆転を狙う最終日へ「あとは明日の調子次第。メンタルが弱いので…。もっと伸ばして、いいプレーをしたい」。史上9人目、年少3位の16歳265日でのアマVへ突き進む。(星野 浩司)

 〇…米国から凱旋出場の渋野日奈子、原英莉花はともにカットラインに2打届かず、イーブンパー61位で予選落ちした。国内ツアー7か月ぶり参戦の渋野は28位で出て75と乱調。米ツアーと合わせて5戦連続の予選落ちに「パッティングがボロボロ。短いのを3回も外してしまい、けっこうショックでした」と悔しがった。今季初参戦の原は76と崩れ「フラストレーションで爆発しちゃった。もっとファンの皆さんにいいプレーを見せたかった」とガックリ。それでも「ゴルフに終わりはない。楽しい!」と前を向いた。

 ◆岩永 杏奈(いわなが・あんな)

 ▼生まれとサイズ 2009年1月20日、兵庫県尼崎市出身。16歳。163センチ

 ▼家族 両親、妹2人

 ▼ゴルフ歴 父の影響で5歳で始める。小3でホールインワン達成。尼崎市立塚口中3年時の23年に日本ジュニア選手権(12~14歳の部)優勝。24年日本女子オープン16位。25年7月に世界ジュニア選手権優勝。レギュラーツアー13戦目で6回目の予選通過

 ▼平均飛距離 230ヤード

 ▼得意クラブ ピッチングウェッジ

 ▼性格 負けず嫌い

 ▼趣味 寝ること。「休みの日は20時間くらい寝る」

 ◆女子ゴルフのアマチュア優勝 過去に8人が達成。勝みなみは14年のKKT杯バンテリンレディスで史上最年少(当時)の15歳293日で優勝。直近では、24年のメジャー・ワールドレディスサロンパスカップで李暁松(イ・ヒョソン、韓国)が最年少15歳176日で制した。大会中にホールインワンを達成して優勝した選手はいない。

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