
蝉川泰果
◆男子プロゴルフツアー メジャー第3戦 日本オープン 第2日(17日、栃木・日光CC=7238ヤード、パー70)
前日サスペンデッドになった第1ラウンド(R)の残りが終了。2022年大会覇者の蝉川泰果(アース製薬)が13番で2罰打を科され、スコアはパーからダブルボギーに。4オーバー74で62位スタートとなった。
前日にプレーした13番の第3打でクラブを球の後ろに置いた際、球が動いたように見えたことについて、第1Rの中断後に蝉川から確認して欲しいとの依頼が競技委員にあった。この日の第1Rのプレー再開前に、ルールズディレクターと蝉川でビデオを検証し確認したところ、球は定義「動く」に該当していることを確認した。
規則20.2cに規定するビデオの証拠を使用する場合に適用する「肉眼」基準が適用となるかについて検証した結果、肉眼で合理的に見ることができる事実であり、このビデオによる証拠の使用は制限されないことを確認。上記2件の事実関係と適用規則について蝉川は理解をしており、13番のスコアに2罰打を課すと自ら申告した。
蝉川は16日は15番までプレーし、競技はサスペンデッドになった。第1Rのプレー中であり、スコアカード提出後の紛議に関わる規則の問題は生じない。
【罰の根拠】 プレーヤーは自分のインプレーの球を動かした場合、1罰打を加え、その球を元の箇所にリプレースしなければならない(規則9.4)。リプレースせずにプレーした場合、誤所からのプレーとなり、このケースにおいては重大な違反がないので、合計で2罰打を受ける。球を動かしたことに対する規則9.4の1罰打と、誤所からのプレーの2罰打は重課されず、2罰打だけを受ける(規則1.3c(4)例外参照)
【関連規則】 定義「動いた」とは、止まっている球が元の箇所を離れて他の箇所に止まり、それが肉眼によって見ることができる(誰かが実際にそれを見ていたかどうかにかかわらず)場合。このことは球が元の所を離れ、上下、水平、どの方向に動いたかにかかわらず適用する。球が揺れている(または振動している)だけで、元の所に留まっている場合、または戻っている場合、その球は動いたことにはならない。
ビデオの証拠を使用する場合に適用する「肉眼」基準(規則20.2c)とは、委員会が裁定を行うときに事実問題を決定する場合、ビデオの証拠の使用は「肉眼」基準によって制限される。
・ビデオに映る事実が肉眼で合理的に見ることができない場合、そのビデオの証拠が規則違反を示していたとしても採用しない。
・しかし、「肉眼」基準に基づいてビデオの証拠を採用しないときでも、プレーヤーが違反を証明する事実に別の方法で気づいた場合は規則違反が分かることがある(例えば、肉眼で見えていなかったとしてもバンカーの砂にクラブで触れたことをプレーヤーが感じた場合)