防弾車、車体は重く特殊な運転技術必要


リオで大人気の防弾車は、見た目は普通の乗用車(読売新聞社提供)

リオで大人気の防弾車は、見た目は普通の乗用車(読売新聞社提供)

 リオデジャネイロ五輪に出場するゴルフ日本代表選手の安全を守るため、日本ゴルフ協会(JGA)が防弾仕様の特別車を手配したことが1日、分かった。男子代表の片山晋呉(43)=イーグルポイントGC=らが宿泊するコンドミニアムは、会場となるオリンピックGCまで車で約25分かかるため、防弾ガラス&防弾ボディーの特別車で送迎する。ブラジル在住の沢田啓明通信員は現地の防弾車実情を明かした。

 ブラジルでは10年ほど前から防弾車が増えている。最初に登場したのはイスラエルの軍用技術を応用したもので、弾をはね返す物もあれば、ひびが入ってもガラスが壊れない物など多岐にわたっている。

 必然的に車体は重くなるため、特殊な運転技術も必要になる。耐用年数も通常の乗用車より短くなるが、ブラジル国内の銃犯罪など治安の悪化により、欧米を中心とした複数のメーカーが参入。今では企業の幹部などの富裕層、社有車で使用する企業などを中心に、ユーザーが数十万人を超える一大産業となっている。

 車のサイズにもよるが、防弾仕様にするパーツはタイヤ、車体、窓ガラスなどで、最低でも本体価格に100万円以上の上乗せが必要。ブラジル国民は運転好きが多いが、最低賃金は月収約2万5000円程度。リオやサンパウロなど大都市でも3~4万円しかないだけに、一般市民はほとんど手を出せない状況だ。(沢田 啓明)

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