松山、アジア人初世界制覇!記録ずくめV「来年のメジャーがすごく楽しみになった」


 ◆米男子プロゴルフツアー 世界選手権シリーズ HSBCチャンピオンズ最終日(30日、上海・余山国際GC、7260ヤード=パー72)

 記録的圧勝で“世界”を制した。首位から出た松山英樹(24)=LEXUS=が、6バーディー、ボギーなしの66で回り通算23アンダーとし、2位に7打差の大差で優勝。世界の主要ツアーが1999年に創設した世界選手権シリーズの個人戦優勝はアジア人初。今年2月のフェニックス・オープン以来となる米ツアー3勝目は、丸山茂樹(47)に並ぶ日本人最多勝利。優勝賞金162万ドル(約1億7000万円)を獲得して日本人初の賞金ランク首位に立ち、夢のメジャー制覇へと大きく前進した。

 世界の強豪を寄せつけない、ぶっちぎりの優勝だった。アジア人初の世界選手権シリーズ制覇に、松山は「誰か勝っているだろうと思っていたが、うれしい。日本だけでなく、アジアにとってもいい刺激になったと思う」と破顔。さらに日本人初のメジャー制覇に視線を向け「メジャーに勝ちたい気持ちがより一層強くなった。来年のメジャーがすごく楽しみになった」と力を込めた。

 3打差をつけて米ツアーで初めて単独首位で迎えた最終ラウンド。朝の練習は淡々とこなしていたが「スタート前からナーバスになっていた」と打ち明けた。重圧を吹き飛ばしたのは、「4番のパーパット」。シャッター音に邪魔されて第1打をラフに入れたが、4メートルをねじ込んで切り抜け「しっかりとセーブできて、その後無理することなくプレーできた」と勝利への手応えを引き寄せた。

 その後も「計30バーディーにしたかった」と攻め手を緩めなかった。長年使い続けてきた08年モデルのドライバーを新しい物に変え、飛距離がアップ。好調なパットも加わり崩れる気配すら見せなかった。13番で10メートルのパットを沈めると15番まで3連続バーディーで、2位との差を最大8打に広げた。世界ランク10位以内のうち8人がそろった大会での松山の独走に、同3位でメジャー4勝のロリー・マキロイ(27)=英国=は「今週の彼は抜群だった。チャンピオンにふさわしい」と脱帽した。

 丸山の米ツアー日本人最多勝利数に並ぶ3勝目は、記録ずくめの栄冠となった。通算23アンダーでの優勝は、米ツアーの日本人史上最少スコア。7打差での優勝も、史上最大差。24歳での優勝は、大会史上最年少、世界選手権シリーズ史上でも3番目の年少記録だ。

 また米ツアー過去30年間の歴史で、25歳未満で3勝を挙げた米国人以外の選手は、これまでマキロイ、セルヒオ・ガルシア(36)=スペイン=、アダム・スコット(36)=豪州=の3人だけ。松山が、世界のトップ選手入りの証しとなる4番目の男に名を連ねた。

 自身今季初戦のCIMBクラシックでの2位に続く2戦目で優勝し、わずか2戦で賞金237万6000ドル(約2億5000万円)を獲得。米男子ツアーで日本人として史上初めて、賞金ランク首位に立った。ポイント制で年間王者を決める「フェデックスカップランク」でもトップとなり、自己最高の10位につける世界ランクも6位まで上昇することが確実となった。

 世界選手権シリーズを制して19―20年シーズンまでのシード権も手に入れ、飯田光輝トレーナー(39)は「メジャーでも勝てる証明ができた」と太鼓判。米ツアーの主役に躍り出た「世界の松山」が、堂々とメジャー制覇に挑む。

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