２番でバーディーを決めた原前監督（右）は同組の加瀬とグータッチ。さすが絵になる若大将
◆男子プロゴルフシニアツアー ファンケルクラシック 最終日（１９日、静岡・裾野ＣＣ＝７００９ヤード、パー７２）
アマチュア枠で大会初出場のプロ野球・巨人の原辰徳前監督（６０）＝ファンケル＝は、２バーディー、２ボギーのイーブンパー７２で回り、通算２０オーバーとして、第２日の最下位（棄権を除き７４位）から脱出し、７３位に浮上した。最下位は１１ホールを消化し、通算２１オーバーの小達敏昭（５０）＝Ｏ．Ｇ．Ｇ．Ｃ＝。首位は１０番まで通算１２アンダーに伸ばしたタイのプラヤド・マークセン（５２）＝フリー＝。
８６をたたき「４タコ（４打数無安打）だね」と嘆いた第２日から一転、最終日に「猛打賞」のような辰徳チャージを見せた。１番ホールの選手紹介アナウンスは、これまでと同様に「４番サード、原！」。第２日終了時で最下位と精彩を欠いていたが「６番サード、原！」などの“降格”はもちろんなし。帽子を取って笑顔でギャラリーの歓声に応えた。
その期待通りに「４番」にふさわしいプレーを見せた。第１、２日ともにダブルボギーをたたいた２番パー５で８メートルのバーディーパットを沈め、鬼門ホールにリベンジを果たすと、同組の加瀬秀樹（５８）とお得意のグータッチ。雄大な富士山を背景に絵になる男は抜群の存在感を発揮した。
３番パー４では第２打をグリーン左手前のバンカーに入れたが、第３打のバンカーショットをピン２０センチにぴたりと寄せてパーをセーブ。９番パー５は残り約１００ヤードの第３打をピン奥１メートルにつけて２つ目のバーディーを奪った。クラブハウス前で特にギャラリーが多いホールでスターならではの勝負強さを見せた。
観客数は第１、２日いずれも各日記録を更新し、最終日は午後零時の途中発表で７５７７人。大会累計２万４４４５人となり、２０１２年に今大会がマークしたシニアツアー日本記録（２万３８０２人）を更新した。巨人のユニホームを着たファンも多く登場。裾野ＣＣ周辺では３日連続で「辰徳渋滞」が発生した。コース内外で若大将フィーバーを巻き起こした。