原辰徳氏
◆男子プロゴルフシニアツアー ファンケルクラシック最終日（１９日、静岡・裾野ＣＣ＝７００９ヤード、パー７２）
アマチュア枠で大会初出場のプロ野球・巨人の原辰徳前監督（６０）＝ファンケル＝は、通算２０オーバーで最下位（棄権を除く）の７４位から最終ラウンドをスタート。前半を２バーディー、ボギーなしの３４で回り、通算１８オーバーとして７３位と最下位を脱出した。最下位は４ホールを消化し、通算１９オーバーの小達敏昭（５０）＝Ｏ．Ｇ．Ｇ．Ｃ＝。首位は１番まで消化し、通算１０アンダーに伸ばした米国のグレゴリー・マイヤー（５６）＝米国＝。
バーディーなし、６ボギー、４ダブルボギーの８６と崩れた第２日を「４タコ（４打数無安打）だね」と厳しく自己評価した原さんは背水の陣で最終日に臨んだ。１番ホールの選手紹介アナウンスは、もちろん、これまでと同様に「４番サード、原！」。打順の“降格”はなく、帽子を取って笑顔でギャラリーの歓声に応えた。
この日は期待通りに「４番」にふさわしいプレーを見せた。第１、２日ともにダブルボギーをたたいた２番パー５で８メートルのバーディーパットを沈め、鬼門ホールにリベンジを果たした。同組の加瀬秀樹（５８）とお得意のグータッチ。雄大な富士山を背景に絵になる男は抜群の存在感を発揮した。
３番パー４では第２打をグリーン左手前のバンカーに入れたが、第３打のバンカーショットをピン２０センチにぴたりと寄せてパーをセーブした。９番パー５は残り約１００ヤードの第３打をピン奥１メートルにつけて２つ目のバーディーをゲット。クラブハウス前で特にギャラリーが多いホールでスターならではの勝負強さを見せた。
観客数は第１、２日いずれも各日記録を更新し、２日累計で１万６８６８人。２０１２年に今大会がマークしたシニアツアー日本記録（２万３８０２人）の更新が各日。巨人のユニホームを着たファンも多く登場。「若大将フィーバー」はクライマックスを迎えている。