渋野日向子、28戦ぶり予選落ち「泣きそう」 女王争い“終戦宣言”も


18番、ホールアウトし同組の六車と笑顔で抱き合う渋野(左)。1打及ばず予選落ちした(カメラ・相川 和寛)

18番、ホールアウトし同組の六車と笑顔で抱き合う渋野(左)。1打及ばず予選落ちした(カメラ・相川 和寛)

 ◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス第2日(16日、千葉・グレートアイランドC)

 賞金ランク3位の渋野日向子(21)=RSK山陽放送=が4バーディー、2ボギー、1ダブルボギーの72と伸びず、通算1アンダー51位。3月のアクサレディス以来、日米両ツアーで28戦ぶりの予選落ちを喫した。初の賞金女王には「私の口から出しちゃいけない」と“終戦宣言”。賞金ランク1位の申ジエ(31)=韓国=と、今大会限りでツアー引退を表明している大江香織(29)=アルプスアルパイン=が10アンダーで首位に並んだ。

 渋野の表情から悔しさがあふれ出た。前半は4番から3連続バーディーで伸ばしたが、後半は一転。11番パー4の第3打、10ヤードの下りのアプローチを「恐る恐るいき過ぎて」2メートルショートした。さらに3パットでダブルボギー。18番も3メートルのパーパットを外し、1打届かず3月のアクサレディス以来の予選落ちを喫した。8月のAIG全英女子オープン優勝以降では初の屈辱。「予選落ちですもんね。ショック。ちょっと泣きそう…」と言葉を詰まらせると、手で目を覆い涙を拭った。

 21歳の誕生日だった15日の第1ラウンドは大会初日で最多の4234人が訪れ、賞金ランク1位の申、2位の鈴木愛と同組で回った。追いかける立場ながらスコアで2人を下回り「これだけ差がつくのは当たり前」と完敗を認めた。この日は初めて年下の高校生2人と回り「めっちゃ楽しかった」が、伸ばしきれなかった。

 この日首位に立った申が優勝すれば賞金差は約3156万円に開き、同3位の鈴木がVなら約2431万円差に。いずれも逆転女王には残り2試合で1勝以上が必要となるが「自分にはほど遠い。もう賞金女王って、私の口から言っちゃいけない」とあきらめの言葉を並べた。誕生日に21歳の目標に掲げた東京五輪出場にも「怪しくなってきた」と不安を漏らした。

 ホールアウト後、順位が確定するまでの約1時間、多くのファンに見守られながらパット練習を続けた。練習中には穴井詩と会話するなど少しずつ笑顔は復活。クラブハウス内で荷物をまとめて引き揚げる際には「もう切り替えました」と、いつもの“しぶこスマイル”に戻った。「悔しさを持って、トップ3に入れるように」。次週の大王製紙エリエールレディスで全力を尽くす。(宮下 京香)

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