◆女子プロゴルフツアー 大王製紙エリエールレディス最終日(24日、愛媛・エリエールGC松山=6580ヤード、パー72)
2打差7位から出た渋野日向子(21)=RSK山陽放送=は6バーディー、ボギーなしの66で回り、通算19アンダーで逆転優勝を果たした。国内通算4勝目。日米では通算5勝目を飾った。
優勝後のインタビューで「ちょっと緊張しながらプレーしていたけど、いつもキャディーをしてくれた(定由)早織さんが来てくれた時に、もう涙が止まらなかった。ギャラリーさんは日に日に増えていって、きょうも短いパットとかすごく緊張したんですけど、パーをとった時とか『ナイスパー!』と言ってくれて、バーディーを取ったときは大歓声で。本当に自分は恵まれているなと実感した。皆さんの前で優勝できたのはすごくよかった」と喜びにあふれた。
前半に3バーディーを奪い首位と1打差の2位で折り返すと、10番のバーディーで首位に並び、11番も伸ばしてリードを奪った。同組で賞金ランク1位の鈴木愛と首位で並んで迎えた15番、渋野は3メートルのバーディーパットを沈めて再び突き放した。最終日の朝に駆けつけた青木翔コーチは「初日から彼女らしさが出ていた」と勝因を挙げ「(鈴木)愛ちゃんとだったから、こんなにいい試合できたと思う。ボクシングの殴り合いのような。取ったら取り返して、みたいな。本当にすごいいい試合だったと思います」と、2人の勝負をたたえた。
渋野は9月のデサント東海クラシック以来の優勝で、賞金1800万円を加算。今季獲得賞金を1億3791万4314円とし、女王争いはランク1位の鈴木、同2位の申ジエ(韓国)と三つどもえの混戦となった。次週は最年少女王を懸け、優勝賞金3000万円の今季最終戦メジャー、ツアー選手権リコーカップ(宮崎)で戦う。「ここで優勝できたので、最終戦でまだチャンスがある。自分のプレーができれば結果はついてくると思うので、頑張っていきたい」。逆転女王へ力を込めた。