世界最強アマ金谷拓実、1イーグル4バーディーで3打差4位浮上


10番、ティーショットを放つ金谷拓実(代表撮影)

10番、ティーショットを放つ金谷拓実(代表撮影)

 ◆男子プロゴルフツアー今季第2戦 フジサンケイクラシック 第3日(5日、富士桜CC=7566ヤード、パー71、賞金総額1億1000万円、優勝2200万円、参加67人)

 世界アマチュアランク1位の金谷拓実(22)=東北福祉大4年=が35位で出て、1イーグル、4バーディー、ボギーなしの65をマーク。ショット、パットともにさえて首位と3打差の通算5アンダーの4位に浮上した。昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズに続く、国内男女を通じてツアー制施行後では初のアマチュアでのツアー2勝目に挑む。18年大会覇者の星野陸也(24)=フリー=が8アンダーの単独首位で、通算3勝目に王手をかけた。

 世界最強アマがまたもや富士山の麓で、優勝戦線に名乗りを上げた。金谷は10番スタートの第1組で、大学の先輩・佐藤大平(27)=クリヤマ=らと伸び伸びとプレー。11番はグリーン右10ヤードのラフからチップインバーディー。15番は残り280ヤードから3ウッドで2メートルにつけてイーグル。“裏街道”から一気にリーダーズボードを駆け上がった。

 後半は起伏があり、速いグリーンを読み切り1番、3番でともに3メートルを沈めて伸ばした。「予選ラウンドはパットの調子が悪かったけど、今日は修正できて良いスコアで回れた」。第3日に首位に立ち初優勝した昨年11月の三井住友VISA太平洋マスターズ(静岡)と同じく、雄大な世界遺産を望むコースで、逆転Vへの手応えをつかんだ。

 コロナ禍で今年はアマチュア大会も軒並み中止。主催者推薦で出た今大会が「今年初戦」だ。3月に大学の部活動が休止となり、4月から地元・広島に帰省して約2か月自主練習。8月末から部活動が再開されたばかりだが「いつものルーチンでできています」と適応力は高い。17日開幕の全米オープン(ウィングドフットGC)にも出場予定。日本人アマ初の海外メジャー3大会出場で「将来の目標は(日本男子初の)世界ランク1位を取ること」と大志を抱く。

 昨年11月のツアー初Vで2年間の国内シードを獲得。期間中にプロ転向すればツアー参戦可能となる。高校卒業後はプロ志望も、最終予選会を通過できずに大学に進学。世界を視野に4年間腕を磨いてきた。

 13年大会は当時・東北福祉大4年生だった松山英樹が優勝した。「プレーオフになったけど、勝ち切ったのを覚えています」と金谷。ツアー屈指の難コースで初出場での大会制覇なら松山以来。「スコアをどんどん伸ばして、優勝を目指して頑張りたい」。偉大な先輩を追い、史上初のアマ2勝目をつかむ。(榎本 友一)

 ◆金谷 拓実(かなや・たくみ)1998年5月23日、広島・呉市生まれ。22歳。5歳でゴルフを始め、広島国際学院高2年の日本アマ選手権で17歳51日の大会最年少V。同年の日本オープン11位で大会最年少ローアマ。17年日本オープンも2位でローアマを獲得。18年アジア・パシフィック選手権で優勝。海外メジャーの19年マスターズ58位、全英オープンは予選落ち。昨年8月、日本人では松山英樹以来2人目の世界アマランク1位に。東北福祉大ゴルフ部主将。172センチ、73キロ。家族は両親と兄。

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