◆男子プロゴルフツアー バンテリン東海クラシック第2日(1日、愛知・三好CC西C=7300ヤード、パー71)
2打差の4位で出たツアー通算2勝の稲森佑貴(27)=国際スポーツ振興協会=は7バーディー、1ボギー、今季ツアーでの自己ベストスコアに並ぶ65をマーク。通算11アンダーで単独首位に立った。2018年と昨年の日本オープン王者が同大会以外での初勝利を目指す。前週のパナソニックオープンで史上5人目のアマVを飾った中島啓太(21)=日体大3年=は棄権した。
“日本一曲がらない男”が、フェアウェーが狭いツアー屈指の難コースを手堅く攻略した。稲森は1番パー4で第2打をピン手前に確実につけてバーディーを奪うと、3番まで3連続で重ねた。14番では第1打をフェアウェーに運び、3メートルの下りのバーディーパットを冷静に沈めた。「オールパーでもOKみたいな気分でいった。昨日より良かった」とうなずいた。
15年からツアーでフェアウェーキープ率1位の巧者は、今大会の予選2日間も71・43%で1位。この日は22パットと小技もさえ、ショットを含め、隙のないプレーで7つのバーディーを量産した。
これまでツアー2勝でいずれも最古のメジャー、日本オープンだ。73年のツアー制施行後、初Vと2勝目が同大会は稲森ただ一人。日本オープンは毎年10月開催で「秋の陣」が始まり、そこに照準を合わせていくのだが、周囲からは「日本オープンにしかやる気が出ない男」といじられると笑う。ただ、目は本気で「もちろん優勝を」と、他の大会での勝利も狙っている。
2日は27歳の誕生日だ。昨年2月に結婚した妻・美穂さんからのプレゼントは「まだ」といい「プレッシャーをかけるのも…」とせかさず待っている。欲しいものが「靴や服…と日替わりランチのように変わる」という男だが、今はバースデーウィークでの勝利が一番欲しい。日本オープン(14日開幕、滋賀)以外でも強さを見せつけ、得意なメジャー大会につなげる。(宮下 京香)
◆稲森 佑貴(いなもり・ゆうき) 1994年10月2日、鹿児島市生まれ。27歳。実家が練習場で6歳からゴルフを始め、鹿児島城西高2年時に16歳でプロテストに一発合格。日本オープンで初優勝した2018年に自己最高の賞金ランク3位など、6年連続で賞金シードを獲得。15年からフェアウェーキープ率1位で、今季もトップを走る。169センチ、68キロ。家族は妻。