◆女子プロゴルフツアー アクサレディス宮崎 第2日(23日、宮崎・UMKCC=6545ヤード、パー72)
2位から出た「れいちぇる」こと臼井麗香(フリー)が6バーディー、ボギーなしの66をマークし、通算13アンダーで単独首位に浮上した。トップに立つのは2021年スタンレーレディス第1ラウンド以来2度目で、最終日をリーダーとして迎えるのは初めて。1998年度生まれの「黄金世代」では14人目の優勝者へ、逃げ切る。
5番で5メートルを沈めて10アンダーとし、首位の小林夢果を捉えた。ともに12アンダーで迎えた11番。143ヤードの第2打を8アイアンで4メートルにつけてバーディー。ボギーとした小林との差を2打に広げた。「パッティングが良かった。流れを切らすことなくプレーできた」。主催者推薦での今季初戦に充実感を漂わせた。
パッティングのスタンス幅は、両足の内側がピタリとつくほどに狭い。初めて挑んだプロテストで不合格になった後に、感性を信じて変更した。「打ちやすい。他の人はけっこうアドレスをしっかり取っているけど、人のマネをするというよりは自分が一番打ちやすいから」と独自のスタイルが完成するまでの過程を明かした。
「れいちぇる」は自称「肉食系ゴルファー」でもある。「放っておいたら全ホールバーディーを狙いにいっちゃうタイプ」。この日はキャディーに制御してもらいながら、時には安全にスコアを作った。オフの間に取り組んだ肉体改造も奏功。40キロ台だった体重を4キロ増量し、飛距離アップにつなげた。「食べた瞬間に寝る、を繰り返していたら太りました」。現在の体重は人生マックスの51キロ。「球の重みが違う。体ができたことで、ミスの幅が減っている」と手応えを感じている。この日もハーフターンで母・香理さん特製のおにぎりを4個完食し、力を蓄えた。
ゴルフブランド「チェルクラッシー」を自らプロデュースする、おしゃれな「れいちぇる」。幼い頃は宝塚歌劇団を目指していた。3歳から13歳までクラシックバレー、ジャズダンス、ボイストレーニング、ミュージカルを習った。リズム感を生かした「TikTok」が人気だが、最近の投稿数はやや控え目だ。「すごくやりたいんですけど、『練習しろ』っていうコメントがけっこう来ちゃって」と笑顔で肩をすくめた。
昨年7月の大東建託・いい部屋ネットレディスの小滝水音以来となる「黄金世代」14人目の優勝をかけ、2年連続年間女王の山下美夢有らと争う。「1ホール1ホール、自分のゴルフをするだけ。自分がベストのパフォーマンスをした結果、優勝したらうれしいし、私が全力を出しても優勝できない可能性もある。それはコントロールできないから」と冷静に意気込みを語りつつ、最後は肉食系のメンタルが顔を出した。「勝ちにいきます」と力強く宣言した。