金谷拓実 米ツアーカード獲得に「夢がかなってうれしい」 「松山(英樹)さんみたいに長く活躍したい」


米ツアー出場権を獲得し、取材に応じた金谷拓実。今年の漢字は「誠」(カメラ・富張萌黄)

米ツアー出場権を獲得し、取材に応じた金谷拓実。今年の漢字は「誠」(カメラ・富張萌黄)

 今季日本ツアー賞金王の金谷拓実(Yogibo)が19日、都内で取材に応じた。15日まで行われた、米ツアー最終予選会から18日に帰国。憧れのツアーカードを手にし、「子供の頃からの夢がかなってうれしい」と笑みを浮かべた。

 国内最終戦のメジャー、日本シリーズJTカップ終了後、2次予選会のため渡米。初日は59位と出遅れ「終わったと思った」というほどメンタル的にはきつかったという。その後は見事な巻き返しを見せ、4位で通過。最終予選会は3位で突破し、ホールアウト後には大粒の涙を流した。「めっちゃ恥ずかしかった。(涙が)止まらなかった」と笑ったが、「最後は気持ちでプレーした。すごく練習したし、そういう積み重ねが大事な場面で結果として表れてくれた」と振り返った。

 19年に三井住友VISA太平洋マスターズで、ツアー史上4人目のアマチュア優勝を達成。20年10月にプロ転向し、ルーキーイヤーの20―21年季は賞金ランク2位に入った。昨季は同ランク3位、賞金王候補に名を連ねながらもあと一歩届かない時期が続いた。米ツアーにはこれまで25試合に出場も、思うように結果が残せなかった。「メジャーに出てもうまくいかない。推薦で出させてもらっても、出るたびにこんなにレベルが高いんだと苦しい思いしかしなかった。チャンスをもらえていた、プロになってからの1、2年が一番苦しかった」と苦悩を明かした。

 そんなときにも大学の先輩で憧れる、松山英樹の活躍を見て、励みとした。「同じところでやりたい。どんなときも一生懸命やっていれば、必ずチャンスは来ると信じてやっていた」と諦めない心を持ち続けた。その松山からは予選会後、「よく頑張ったな」と短くも温かい言葉が送られた。

 賞金王に米ツアー切符獲得と、シーズンを最高の形で締めくくった。今年の漢字には「誠」を挙げた。「どの一打も誠実にしていた気持ちはある」という理由でこの字をチョイス。日本シリーズからは怒とうのスケジュールだったが、「行きたくて行ったから。今まであれだけ苦しい思いをしたけど、うまくいく時って、こんなにうまくいくんだ」と晴れやかな表情で話した。

 来季初戦はソニー・オープン(来年1月9~12日、米ハワイ州)を予定する。米ツアーメンバーとしての初戦となるが、試合に向き合う思いは変わらない。「一試合、一試合が勝負。どの一打も大切だから、それを積み重ねていくことが大事。松山さんみたいに長く活躍したい」と青写真を描いた。日本ツアーの出場は未定だが、「好きなトーナメントはたくさんあるし、ファンの人にも見てもらいたい。もちろん出たいとは思っている」と前向きにコメントした。幼少期から憧れる世界最高峰の舞台へ挑む賞金王。海を越えて日本に明るい話題を届ける。

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