22歳・佐久間朱莉ツアー初Vから年間女王の「竹田ロード」駆け上がる ジャンボ尾崎の愛弟子「いけなくはない」


ツアー初勝利を目指す佐久間は鮮やかな花を手に笑顔でVサイン(カメラ・今西 淳)

ツアー初勝利を目指す佐久間は鮮やかな花を手に笑顔でVサイン(カメラ・今西 淳)

 女子プロゴルフツアーの今季開幕戦、ダイキンオーキッドレディスは6日から4日間、沖縄・琉球GC(6610ヤード、パー72)で行われる。昨年ポイントランク8位で、ツアー初優勝を狙う佐久間朱莉(しゅり、22)=大東建託=は5日、プロアマ戦で最終調整。今オフの米アリゾナ合宿中に学んだ“松山流アプローチ”を武器に、悲願の初Vから年間女王への道を突き進む。

 今季に懸ける思いは誰よりも強い。佐久間は昨季2位3回と初タイトルにあと一歩届かなかった。本格参戦4年目の開幕戦に向けて「前半戦には1つ勝って、ジャンボさんにいい報告ができたら」と師匠・尾崎将司にも吉報を届けるため、力強く意気込んだ。

 1月下旬から3週間、米アリゾナ州で合宿を実施。トレーナーも帯同させ、課題だった30~40ヤードのアプローチを重点的に行った。その合宿期間中に“学び”があった。同州で開催された米ツアー、フェニックス・オープンを観戦。松山英樹(33)の組について回り、世界トップレベルのアプローチに目を奪われた。

 ボールと体の距離が近いことに気づき、松山のコーチである黒宮幹仁氏(33)に助言を求めた。自身の動画を見てもらうと「おなかに力が入っていない」と指摘され、腹筋のトレーニングを多く取り入れた。「腹筋に力を入れようとすると(ボールと)近くなった」と早速、違いを実感している。

 米国ではつかの間の“推し活”も楽しんだ。MLBドジャースのキャンプを見学。2~3年前から応援する山本由伸投手の練習を目に焼き付けた。「一番すごいのは、周りからはやらなくていいと言われたが、フォーム改造を貫き通して、結果で覆したところ」とアスリートならではの目線で好きなポイントを力説した。

 前週は台湾の試合に出場し、10位に入った。食あたりから一時は40度の発熱もあったが、快方に向かっている。昨季は竹田麗央(りお)がツアー初Vから計8勝を挙げ、年間女王まで上り詰めた。佐久間は「1つ勝って、2つ勝ってなら、いけなくはない」と同じシンデレラストーリーを描く。昨季ポイントランク8位は、未勝利選手の中で最上位。今季は同ランク上位5人のうち4人が米ツアーに本格参戦。混戦の25年シーズン、伸び盛りの22歳が真価を発揮する。(富張 萌黄)

 ◆佐久間 朱莉(さくま・しゅり)2002年12月11日、埼玉・川越市生まれ。22歳。父の影響で3歳からゴルフを始める。19年の日本ジュニアで2位に入り、翌年アマ日本代表入り。21年に埼玉平成高を卒業し、同6月のプロテストにトップ合格。同11月に下部ツアー優勝。22年はトップ10入り3度を含むメルセデス・ランク33位で初シード獲得。得意クラブはアイアン。155センチ。家族は両親と兄。

最新のカテゴリー記事