
12番でアルバトロスを達成した使用クラブとボールを手に笑顔でポーズを取ったが…(カメラ・渡辺 了文)
◆男子プロゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ 第3日(12日、三重・東建多度CC名古屋=7069ヤード、パー71)
首位と5打差8位から出た出利葉(いでりは)太一郎(フリー)は1アルバトロス、5バーディー、3ボギーの66で回り、5打差3位に浮上した。ツアー初優勝へ、好位置で最終日へ向かう。
アルバトロスはプライベートを含めて自身初。12番パー5(563ヤード)で残り278ヤードの第2打で2アイアンを振り抜いた。「行っている方向は良かったし、自分の感覚も良かった。いいショットが打てた」。グリーンエッジにキャリーしたボールがそのままカップへ吸い寄せられ、大歓声が上がった。「入ったのか、惜しかったのか、わからなかった」が隣接ホールにいた石川遼とすれ違い、「誰か入ったよ」と声をかけられ、カップインがわかったという。
詳細な記録の残る1985年以降では50例目(43人目)のアルバトロスを達成したが、大喜びはできなかったという。「最終ホールだったら、すごい喜べた。でも一気に順位が上がってナーバスに。これからの数ホールを、どうプレーしていくかが頭に浮かんだ。うれしさは、まだない」とこの日の試合にフォーカスしていた。
ふわふわした気持ちが落ち着いたのは、続く13番。2~3メートルのシビアなパーパットを沈め、再び気を引き締めた。今季は「一打に集中」をテーマに掲げる。「アルバトロスはすごいことだが、どの一打も一生懸命にやった結果。明日も一打、一打準備して打ちたい」とうれしさはあるが、すでに気持ちは前を向いている。
最終日は悪天候が予想され、「できないかもしれない」と口にする選手も少なくない。それでも出利葉は「明日がないと決まったわけではない。引き続き練習したいし、できるだけ上位だったり、優勝できるように準備したい」と調整へ向かった。今季のQTランクは55位で、今大会は主催者推薦で出場。少ないチャンスをものにし、ツアー初優勝へ逆転に挑む。