身長162センチの生源寺龍憲が初優勝 憧れは170センチのメキシコ選手 「そういうポジションに行きたい」


降雨のため最終日は中止、3日目を終え17アンダーで首位の生源寺龍憲が初優勝、優勝カップを手に笑顔を見せる(カメラ・渡辺 了文)

降雨のため最終日は中止、3日目を終え17アンダーで首位の生源寺龍憲が初優勝、優勝カップを手に笑顔を見せる(カメラ・渡辺 了文)

◆男子プロゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ 最終日(13日、三重・東建多度CC名古屋=7069ヤード、パー71)

 最終ラウンド(R)は午前10時50分、降雨によるコースコンディション不良のため、中止が決定した。第3R終了時点で単独首位の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり、フリー)がツアー初優勝を挙げた。23年には下部ツアーで賞金王になり、昨年はレギュラーツアーで賞金シードを獲得。順調なステップを歩んできた26歳が悲願を達成した。54ホールの短縮競技のため、優勝賞金加算は75%の1950万円に変更となった。選手への支払いは大会主催者の厚意により、全額となっている。

 中止を知らせる館内アナウンスが流れ、生源寺の優勝が決まった。キャディー、トレーナーと喜び合った後、選手たちからウォーターシャワーで祝福を受けた。「今日はプレーしていないので、あまり実感はないですけど、皆さんにお祝いしていただき、すごくうれしい。やっと勝てた」と表情が和らいだ。

 午前9時30分にコースに到着。ご飯とみそ汁、さけという和朝食を食べ、スタートに備えていた。結果的にはプレーすることはなかったが、昨年大会2位の雪辱を果たし、「このコースで、またいいスコアでラウンドすることができたのでうれしいし、優勝できたのはうれしい」。手にした1勝の重みをかみしめた。

 昨年はアジアツアー15試合に出場した。トップ10入りした試合もあるが、悔しさを味わうことの方が多かった。「(高額賞金ツアーの)LIV(ゴルフ)のプレーヤーも参戦して、飛距離で置いていかれることもたくさんある。長所のショットだったり、ショートゲームがかみ合わずに上にいけなかった。そこは負けられないところなので、悔しかった」と明かした。今回の1勝で「自分が取り組んでいることの“答え合わせ”を早くしたかった。今回勝つことができて、自分が進んできたことが正しいというか、自信を持ってやっていける」と安心した表情を見せた。

 今後の目標は米ツアー挑戦。今年の米下部ツアーは1次からでも参加すると表明している。憧れる選手には米ツアー1勝のアブラハム・アンセル(メキシコ)を挙げた。170センチと海外勢の中では小柄な部分が、162センチの自身と重なるという。「体が小さくても、向こう(米国)で活躍してる選手はいっぱいいる。そういうポジションに行きたい」。大きな野望を抱く生源寺が、国内1勝から世界を目指す。

 ◆生源寺 龍憲(しょうげんじ・たつのり)1998年5月15日、山口県出身。26歳。10歳からゴルフを始める。岡山・作陽高時代は渋野日向子の同級生。17年、同志社大商学部に進学。20年11月にプロ転向。23年、下部ツアーで2勝を挙げ同ツアー史上最高額の1125万3106円を稼いで賞金王。昨年1月にはアジアツアーの出場権予選会を2位で通過し、日本ツアーと並行しながらアジアツアーにも15試合に出場。昨季賞金ランクは29位。162センチ、65キロ。

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