
10番、キャディーの妹・蘭さん(左)と笑顔を見せる山下
◇女子プロゴルフツアー 北海道meijiカップ 第2日(9日、北海道・札幌国際CC島松C=6642ヤード、パー72)
悪天候でサスペンデッドとなった第1ラウンド(R)の残りと第2Rが行われた。前週のAIG全英女子オープンで、メジャー&米ツアー初優勝を飾った山下美夢有(みゆう、24)=花王=は第2Rを12位で出て4バーディー、2ボギーの70で回り、通算4アンダーで首位と5打差の15位につけた。米日2週連続優勝での国内ツアー14勝目を自己最大の逆転劇で狙う。2年ぶりの3勝目を目指す森田遥(29)=フリー=が69で回り、9アンダーで単独首位をキープした。
山下が長い一日を戦い抜いた。第2Rは11番で木に2度当てるミスでボギーを打ったが12番は30センチ、最終18番は1・5メートルに寄せる技ありショットでバーディーを重ねた。全英Vの翌5日に帰国して強行出場し、この日は早朝3時半起きで第1Rの残りと合わせて24ホールをプレーし「けっこう疲れましたね」と本音。それでも「ビックリするくらいのお客さんの応援はありがたい」と観客4755人の声援を力に変え、連日の70と意地を見せた。
キャディーの妹・蘭さん(17)に加え、強力な援軍が駆けつけた。コーチで父の勝臣(まさおみ)さん(50)、母・有貴さん(49)が全英に続き、この日から現地観戦。8日夜は家族で山下の好物・牛タンを食べ、ホテルで母が山下をマッサージした。首や足の張りをほぐし「だいぶ疲れてると思うけど、たくさんのファンの人が来てくれているので、笑顔でいいプレーを見せてほしい」と激励した。
首位とは5打差。だが、22年の宮里藍サントリーレディスは4打差4位から逆転V、昨年は全米女子プロ選手権2位に入ってパリ五輪切符を逆転でつかんだ底力が山下にはある。「最終日も伸ばせるだけ伸ばしたい」。心強い家族とともに、米日ツアーをまたぐ2週連続優勝へ猛チャージする。(星野 浩司)