
18番、ティーショットをはなつ荒木優奈(カメラ・谷口 健二)
◆米女子プロゴルフツアー TOTOジャパンクラシック 第3日(8日、滋賀・瀬田GC=6616ヤード、パー72)
第3ラウンドが行われ、7位で出た20歳ルーキーの荒木優奈(Sky)は8バーディー、1ボギーの65をマークし、通算15アンダーで畑岡奈紗(アビームコンサルティング)と並ぶ首位に浮上した。
「すごくいいラウンドだった。5連続バーディーが取れてすごい楽しかったです」。この日最少の65をマークし、ホールアウトした荒木は笑顔で声を弾ませた。
2番パー4は残り144ヤードの第2打を10センチほどに寄せ、3番は4メートル、4番は3メートル、5番は1・5メートル、6番は1メートルとショットをピンにピタリとつけて伸ばした。最終18番は残り53ヤードの第3打が左カップをかすめ、あわやイーグルという好アプローチ。30センチほどのパットを沈めてバーディーで締めた。
「途中ラッキーもあった」と振り返るのは16番パー5。残り40ヤードの第3打を「めちゃ強くて、50ヤードくらい飛んでたけど、ピンにガッチャ~ンと当たって、手前のエッジに戻った」。カラーから4メートルの上りパットをねじ込み、「ラッキーをちゃんとモノにできて良かった」とかみしめた。
この日も“脱・リーダーボード”を貫いた。第1日の12番でボードを見た直後の13番でダブルボギーをたたいて以降は「見ないように斜め下を向いてる」と視界からシャットアウト。普段はボードを見てきたが、「初日のアレがあったので、今週だけ見ないようにしてる」と好スコアにつなげた。
前日7日に岡山県で行われた最終プロテストで妹・七海(宮崎・日章学園高3年)が不合格に終わった。この日は妹を含めて両親、弟と家族総出で現地観戦。自身は初めて挑戦した23年に不合格した経験があるだけに「私は落ちた時、何を言われても泣きたかったから、(妹に言葉を)言わない方がいいかなと思った。特にテストに関しては触れていない」。悔しさが残る妹が見守る中で猛チャージを見せた。
日米通算11勝の畑岡と並び、米ツアー2週連続Vを狙う山下美夢有(花王)と1打差で最終日を迎える。優勝すれば、来季から2年間の米ツアー出場権を獲得するが「将来の夢は日本ツアーで年間女王になること。そこまでアメリカでの目標はないけど、行きたい気持ちはあります」。大会史上初のルーキーVを飾り、今季2勝目をつかむ。

