
プロアマ戦を回る松坂大輔(右は上井邦浩=カメラ・高木 恵)
◆男子プロゴルフツアー カシオワールドオープン プロアマ(26日、高知・Kochi黒潮CC=7375ヤード、パー72)
元プロ野球選手で日米通算170勝の松坂大輔が初のレギュラーツアーに挑む。開幕前日の26日、アマチュアとしてプロアマ戦に出場した。強風の難コンディションでの18ホールを終え「昨日は風が吹かなくて、これだったらいいなと思いながらラウンドしていた。今日は黒潮らしい風を経験できた。これだけ強い風が吹いたら僕はアウトです」と苦笑いだった。
昨年、下部ツアーの2試合に出場。ともに予選落ちだった。レギュラーツアーは初めてになる。「シードが懸かっている選手もいるし、賞金王争いをしている選手もいるなかで出場するのは、正直非常に申し訳ないなと思いながら参加している。違う緊張感を周りの選手からも感じる。いい緊張感を持ってプレーできたらと思う」と気を引き締めた。
ドライバーの飛距離を問われると「どのくらいですかね…250ヤードから330ヤードの幅じゃないですか(笑)。しっかり当たればかなり飛ぶけど、芯を外すことが僕らは多いので」。180センチを超える体格に宿る圧倒的なパワーと体幹。会心の当たりが出た際の飛びは、やはり怪物だ。
1999年に西武に入団し、プロ1年目のオフにゴルフを始めた。「僕らが入ったときは球団コンペが必ずあったので。きっかけは強制」。西武のキャンプ地が高知だったため「休みの日には、だいたいここに来ていた。広くて好きなコース」。何度も回り、Kochi黒潮CCの特徴は理解している。
松坂にとってのゴルフの魅力は「いろんな人と会えたこと」だという。「僕もこんなにゴルフにはまるとは思っていなかった。野球以外の競技の方とも会う機会が増えたし、普段聞けないような話を聞かせてもらったり。野球に生かせないかなっていうのはあった」と明かした。
過去にレギュラーツアーに挑戦した元プロ野球選手はデーブ大久保、桑田真澄、立浪和義、神田大介、真弓明信の5人。決勝ラウンド進出者はいない。「やるからには最初から予選通過を諦めてやるわけにはいかない。可能性は限りなくゼロに近いのは分かっているけど、泥臭く、少しでもその目標に近づけるように、一打一打に集中して頑張っていきたい」。最後まで粘り強く戦い抜く。

