フィッティングは、先ず、シャフトからスタートした。シャフトは、クラブにとっての生命線ともいえるもの。スタジオには、壁面にズラリ最新のシャフトが並んでいた。その中から材質をはじめ、硬さ、しなり、バランス、キックポイント、トルクなど最適なものを選ぶことになる。
ヘッドスピード、スイングのタイプ、つまり、ヒッターかスインガーかによっても、ドロー系の人には硬くて重く、トルクの低いものが適しており、また、ヘッドスピードの速いスインガー・タイプは、それほど硬くなく、トルクも中程度のシャフトが一般的だとされている。一方、ヘッドスピードが遅めの人は、これらの逆の設定。つまり、軟らかくて軽いシャフトがいい。さらに、ボールを高弾道で打ちたいなら、キックポイントがヘッド近くにある先調子のクラブが合うとされている。
加えて、シャフトの「たわみ」や「ねじれ」なども考慮に入れなくてはならない。シャフトはダウンスイングの時に鞭(むち)のようにたわんでいるのだが、その「たわみ」を「力」として利用できれば、 同じスイングでもヘッドスピードが10%もアップする。つまり、ミート率と打ち出し角が完璧に近いことが前提になるが、通常の飛距離が200ヤードなら、220~230ヤードくらいまで伸びる計算だ。そんな総合的なデータを元に最適なシャフトを選ぶことになる。
堀口さんは、試打によって弾き出されたデータや、クラブのスペックが記されたシートを見比べながら、数本のシャフトを候補として選び出してくれた。「ツアーADSL-2」、「バサラ」、「フジクラのプロトタイプ」など、ゴルファーなら誰しも試したくなるシロモノばかり。「一応、5本選びました。まず、これから行きましょう」と最初に薦めてくれたのはロフトが10.5度のヘッドが装着された「ツアーADSL-2」だった。
シャフトの長さは44インチ。硬さは「硬めのR」で、フェースアングルはスクエアな状態に取り付けられていた。グリップはやや細め。
さらに、堀口さんは「筒にも上下があり、それが斜めに装着されると機能が変わってくる」という。ゴルフショップの店頭に置かれているクラブも製造過程で微妙なずれが生じ、筒の上下を正確に装着されていないクラブも多いそうだ。
その辺りも、しっかりチェックした上でクラブ設定してくれるので安心だ。