プロアマ戦で復帰した片山晋呉
◆男子ゴルフツアー外競技 杜の都仙台チャリティープロアマトーナメント第１日（２９日、宮城・杜の都ＧＣ＝７２３３ヤード、パー７２）
ツアー外競技として行われ、５月３０日の日本ツアー選手権森ビル杯のプロアマ戦で招待客に不適切な対応をしたとして制裁金３０万円と厳重注意の処分を受けた片山晋呉（４５）＝イーグルポイントＧＣ＝が出場し、選手会長の石川遼（２６）＝カシオ＝らと同組で回った。
日本ツアー選手権森ビル杯最終日（６月３日）以来、初めての公の場でのプレーとなった片山は３バーディー、２ボギーの７１で回り、首位と２打差の９位とまずまずのスタートを切った。
東北福祉大出身の韓国人プロのＫ・Ｔ・ゴン（３６）＝豊栄興産＝が３アンダーで首位に立った。石川は１オーバーで１９位。片山、石川と同組で回ったアマチュアの東北福祉大２年・金谷拓実（２０）は昨年の日本オープン２位の実力を発揮し、１アンダーの９位と健闘した。大会は２日間競技で３０日に最終ラウンドが行われる。
片山は６月１５日にツアー出場の自粛を表明。７月１６日に今大会の出場と、ＲＩＺＡＰ ＫＢＣオーガスタ（８月２３～２６日、福岡・芥屋ＧＣ）でツアー復帰することを明らかにしていた。日本ツアー選手権森ビル杯最終日（６月３日）以来の実戦は、人気プロの石川と同組だったこともあり、多くのギャラリーに囲まれてのプレーとなった。「プロとして人前でプレーできることは幸せです。それをかみしめた」と感慨深い表情で話した。
レギュラーツアーのトーナメントと違い、１選手に１人のキャディーがつかないため、片山は先にカップインしたホールでは率先して旗ざおを持った。「ゴルフを始めた最初の頃はこうだったよなぁ、と思い出した。楽しかった」と笑った。
コースから離れている２か月半は苦しい時間だった。「２０年以上、この生活をしてきた中で、冬以外で２か月半もゴルフから離れたのは初めて。スーツ着て、ネクタイを締めて、あいさつ回りをしてました。あまり練習をしていないから不安があった。久々で体がフワフワしていた」と神妙に話した。
それでも、アンダーパーでまとめるのはツアー通算３１勝の永久シード選手の実力だ。同組で回った石川は「いつも通りの片山さんでした」と称賛した。「片山さんの技術を学びたいという選手は僕を含めて多い。片山さんが練習している姿は刺激になるし、目標になっています」と片山が戦いの場に戻ってきたことを歓迎した。
前日（２８日）の前夜祭で、片山は日大時代の同級生の横尾要（４６）＝フリー＝をはじめ多くのプロ仲間に「お帰りなさい」という声をかけられたという。「本当にうれしかった」と感謝する。「新」片山晋呉の戦いが始まった。