畑岡奈紗、V3逃し2位も強い!V柳が飛距離と精神力絶賛


3連覇を逃した畑岡(左)は、優勝した柳簫然にチャンピオンブレザーを贈呈し祝福した(カメラ・今西 淳)

3連覇を逃した畑岡(左)は、優勝した柳簫然にチャンピオンブレザーを贈呈し祝福した(カメラ・今西 淳)

 ◆女子プロゴルフツアー・国内メジャー第3戦 日本女子オープン最終日(30日・千葉CC野田C)

 2打差4位から出た畑岡奈紗(19)=森ビル=は4バーディー、ボギーなしの68で、通算12アンダーとしたが、2位に終わり、樋口久子以来となる史上2人目の3連覇を逃した。それでも全選手で唯一となる4日間連続アンダーパーと、実力を示した。世界ランク4位で海外メジャー2勝の柳簫然(28)=韓国=が5バーディー、ボギーなしのベストスコア67で15アンダーに伸ばし、大会初優勝を飾った。

 グリーン周りを囲んだ約500人から、この日一番のため息が漏れた。畑岡は2打差を追う9番、1メートル半のバーディーパットを外した。「取りこぼしたところがいくつかあるので悔しい」と、唇をかんだ。68の好スコアも2日連続31パットと苦しんだ。2番で10メートルをねじ込むなど、開始2連続バーディーで一時は柳と並び首位に立ったが、その後、伸ばし切れなかった。

 1968年から4連覇した樋口以来となる3連覇が消えた。2016年は4打差5位から劇的な最終日逆転で史上初のアマでメジャー優勝、17年はメジャー最多アンダーパーとなる通算20アンダーで2位に8打差の圧勝だった。開幕前からショットの調整に苦しんだ今回は、世界ランク4位の柳(畑岡は17位)に屈した。「優勝と3打差? 厳しいですね」と、埋められなかった差を実感し、口を真一文字に結んだ。

 表彰式では悔しさを胸にしまい、笑顔で2年間守った優勝者のブレザーを柳に着せた。「(返還は)いつかは来ると思ったが、来年以降、着せてもらえるように」と、リベンジを誓った。

 今年6月、知人の紹介で新トレーナーと契約し、さらなるレベルアップを図る。プレーを見守った久保田将之氏(28)は、世界ランク1位の朴城ヒョン(韓国)ら複数の海外選手と契約する敏腕トレーナーだ。「(米ツアー中は)ほぼ毎日ケアをする」という久保田氏は、「19歳の若さで、他のどの米女子ツアーの選手よりも真面目で、時間管理がしっかりしている」と、畑岡に脱帽する。

 次週は国・地域別対抗戦(4日開幕・韓国)に出場し、11月の日米両ツアーを兼ねるTOTOジャパンクラシックなど、アジアシリーズを転戦する。「もう1勝できるように」。世界トップに追いつこうと、進化を続ける19歳は前を向いた。(岩原 正幸)

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