石川遼、V圏内5位で最終日へ「欲をかかずに」


6番でクロスバンカーから第2打を放つ石川遼。通算9アンダーで5位につけた(カメラ・今西 淳)

6番でクロスバンカーから第2打を放つ石川遼。通算9アンダーで5位につけた(カメラ・今西 淳)

 ◆男子プロゴルフツアー ブリヂストンオープン第3日(20日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C)

 2打差5位で出た石川遼(27)=カシオ=が4バーディー、2ボギーの69で回り、通算9アンダーの5位と、7月のダンロップ・スリクソン福島オープン以来となるV圏内で最終日を迎える。復調著しいショットを軸とした多彩なマネジメントで08年の12位が最高の苦手コースを攻略。最終日3打差逆転で、ツアー通算15勝目&ツアー史上7人目となる現職選手会長Vを狙う。ツアー1勝の川村昌弘(25)=antenna=、李尚熹(26)=韓国=が12アンダーの首位に並んだ。

 秋晴れの千葉で、待望の“実りの秋”が迫ってきた。石川は風の強い難条件下で3つのパー5でしっかりと伸ばし、V圏内に踏みとどまった。16番は右ラフからの3打目を得意のロブショットで4メートルに寄せ、9番と18番は2オン2パットのバーディー。首位と3打差での最終日。過去12位が最高の苦手コースで、今季3度目の優勝争いに「まだまだチャンスのある位置だと思うので、明日の後半で勝負できるようにしたい」と表情を引き締めた。

 多彩なマネジメントで左、右に振られた難しいピン位置を攻略した。「このコースは、ピン位置を意識してマネジメントしないといけない。それに集中してできている」。この日は、計11ホールでドライバー以外のクラブでティーショットを放った。今季17戦目で「一番少ないかもしれない」と、ドライバーで飛距離を出してアドバンテージを握ることに頼らずに、14本のクラブをフル活用してコースと対峙(たいじ)している。

 打撃練習場での練習方法が秋になって変わってきた。課題のドライバーに長い時間を割いていたのをアイアン中心へとシフト。「ドライバーは(球を)はじいてしまうんですが、アイアンは(球を)運ぶようなイメージで打っている。アイアンの方からよくなってきた。70%ぐらいまできていると思う」。今大会のパーオン率74・07%は、全体2位の数字を誇っている。

 3打差を追う最終日は、16年8月以来のツアー15勝目への挑戦だ。過去14勝のうち4勝が最終日逆転V。3打差以上の逆転は3度ある。「(優勝争いは)非常に久しぶりなので。あまり欲をかかずに、明日も同じことをやっていくことに集中したい」。6年ぶりに米ツアーから国内へ復帰し、初の選手会長業務で多忙を極める27歳。一歩一歩、着実に完全復活への階段を上っていく。(榎本 友一)

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