鈴木愛、地元四国で初勝利 150試合目で10勝


 ◆女子プロゴルフツアー ヨコハマタイヤPRGRレディス最終日(17日、高知・土佐CC)

 2打差3位で出た徳島県出身の鈴木愛(24)=セールスフォース=が5バーディー、1ボギーの68で回り、通算9アンダーの最終日逆転で今季初優勝。ツアー通算150試合目で、史上6番目の若さでの達成となる節目の10勝目を、自身初の四国開催大会で飾った。葭葉(よしば)ルミ(26)=富士住建=が4打差の2位。ツアー2戦目の渋野日向子(20)=RSK山陽放送=は6位と健闘し、6月のリランキング(出場優先順位見直し)による出場権獲得へ大きく前進した。

 地元・四国のギャラリーの前で、17年賞金女王が強さを見せつけた。最終18番。強風が吹き荒れる中、残り142ヤードから9アイアンでピン上2メートルへ。バーディーで締めくくると右拳を握りしめ、満面の笑みで大喝采を浴びた。開幕戦は予選落ちしたが、この日のベストスコア68で2位に4打差をつける快勝。「初めて四国の試合で勝てて、とってもうれしい。10勝目の節目を四国で勝てて本当にうれしく思います」。1988年のツアー制施行後、史上6番目の若さで10勝到達。9番目の速さでの大台達成でもあった。

 毎年強風が吹き、昨年までツアー史上最長7年連続プレーオフ(PO)決着だった。鈴木は15年、18年大会でPO負け。その反省からこの日はリーダーボードは見ずに自らのプレーに集中。「6つ伸ばせば勝てる」―。風の強まった後半、スコアを落とす選手が続出する中、得意のパットで勝負を決めた。11番で5メートルのフックラインを沈めて首位に並ぶと、15番では6メートルの下りのスライスラインをねじ込んで、“3度目の正直”を決定づけた。

 昨季は6月までに4勝を挙げるも、右手首の負傷で約2か月離脱し、賞金ランク3位に終わった。持病の膝痛もあり、今季から男子ツアー31勝の片山晋呉の元専属トレーナー・中村俊介氏(39)と契約し、立ち方や歩き方から改善。ラウンド前後に約30分ずつストレッチやマッサージを行う。「去年よりも充実して戦えている。年間5勝と賞金女王が目標。海外メジャーでも活躍したい」。現在世界ランク31位で日本勢2番手。来年の東京五輪日本代表に向けても勝ち星を積み重ねる。(榎本 友一)

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