20歳の吉本ひかるが1打差惜敗も今季ツアー最多4度目のトップ10


1番ティーショットを放ち、打球を見つめる吉本

1番ティーショットを放ち、打球を見つめる吉本

 ◆女子プロゴルフツアー KKT杯バンテリンレディス 最終日(21日、熊本空港CC=6428ヤード、パー72)

 首位と3打差の7位からスタートした吉本ひかる(20)=マイナビ=が5バーディー、1ボギーの68で回り、自己最高の2位となった。トップ10入りは今季7戦目で早くも4度目でツアー最多。抜群の安定感を誇る20歳は賞金ランクも16位から8位に急上昇し、初の賞金シードに大きく前進した。韓国の李知姫(40)=フリー=が最終18番で4メートルのバーディーパットをしぶとく沈め、吉本を1打振り切って、2年ぶりの通算23勝目を挙げた。

 グリーン手前に池が広がる名物ホールの最終18番。パー5としては479ヤードと短いため、2オンを狙う選手が多いが、小柄な吉本は2打目をちゅうちょなく刻んだ。残り60ヤードの第3打は6メートルもオーバー。下りのバーディーパットは約50センチ足りず、パー止まり。「(第3打は)思ったよりフォロー(追い風)が強く、ピン奥に行ってしまいました」と冷静に敗因を振り返った。

 7位から猛追し、首位に並んでホールアウトしたが、韓国の実力派プロ李知姫が最終18番で4メートルのバーディーパットをしぶとく沈めて勝負あり。プレーオフに備え練習グリーンで調整していた吉本は「(待っている間)緊張していました」と素直に話した。

 結果的に初のプレーオフ進出、さらには念願の初優勝まで“50センチ”届かなかった。それでも、3月のTポイント×ENEOSの4位を上回り、自己最高の2位フィニッシュ。トップ10入りは、今季7戦目で早くも4度目。韓国の申ジエ(30)=スリーボンド=と並び、堂々のトップだ。

 880万円を上積みし、今季の獲得賞金は1926万6000円。ランクは16位から8位に急上昇した。昨季の自身の獲得賞金(440万5000円)の4倍以上も稼ぎ、賞金シード獲得ライン(2222万1100円)に迫った。

 初の賞金シード獲得へ大きく前進したが、もちろん、目標はもっと大きい。「きょうは前半に短いバーディーパットを外してしまったり、全体的にまとまっていなかった。もうちょっとかみ合えば優勝も見えてくると思います」とさらりと話した。 平均飛距離は220・50ヤード(ランク95位)にとどまるが、手堅いプレーが持ち味。フェアウェーキープ率は70・07%(ランク16位)、パーセーブ率は84・92%(ランク6位)。特にパーセーブ率は昨季より約4ポイントもアップした。

 1998年度生まれの「黄金世代」。勝みなみ、畑岡奈紗、新垣比菜、大里桃子、河本結に続き、6人目の優勝者となる可能性を十分に秘めている。152センチ、53キロと小柄ながら、ツアーで存在感は日に日に大きくなっている。

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