初Vの小祝さくら、中学卒業後バイトし母に毎月3万円の苦労人


母・ひとみさん(左)とトロフィーを手に笑顔を見せる小祝

母・ひとみさん(左)とトロフィーを手に笑顔を見せる小祝

 ◆女子プロゴルフツアー サマンサタバサレディース 最終日(21日、茨城・イーグルポイントGC=6601ヤード、パー72)

 首位と2打差の2位から出た小祝さくら(21)=ニトリ=が7バーディー、ボギーなしの65をマーク。大会新記録の通算17アンダーまで伸ばし、逆転で初優勝を飾った。1998年度生まれの「黄金世代」では8人目の優勝者。ほんわかムードが持ち味の道産子美人プロは待望の初Vにも涙なし。「お疲れサマンサ」。優勝スピーチでは大会名をかけたダジャレでギャラリーを沸かせた。1打差の2位は韓国のイ・ミニョン(27)=Qセルズ=。

 常に“ほんわかムード”の小祝だが実は苦労人で、練習の虫だ。中学卒業後、女手ひとつで育ててくれた母・ひとみさんを助けるため通信制の飛鳥未来高に進学し、ゴルフ場でアルバイトをしながら腕を磨いた。母に毎月3万円を渡し、残りは貯金した。「お金がないから一発でプロテストに受かって」という母の願い通りに17年の初挑戦でギリギリ合格した。

 トッププロとなった今、ツアー屈指の練習熱心さで知られている。幅2センチ弱、長さ1メートル強、厚さ1ミリのアルミ板を使うパットの練習は独特。「ホームセンターで1000円くらいで売られている板です」と小祝。水平な場所に設置した上でボールを慎重に置かなければ板の上から落ちるほどの繊細さ。シビアな練習で正確なストロークを体得。この日「勝因はパットですね」と笑顔で話した。(竹内 達朗)

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