日本人42年ぶりのメジャー制覇を果たした渋野日向子(20)=RSK山陽放送=が今年12月に地元・岡山市のソフトボールの交歓大会を全面支援し、同大会を4年ぶりに復活させることが6日、分かった。
トップアスリートが他競技の大会を手がけることは極めて異例。今回の支援は、渋野のソフトボール愛と育ててくれた地元への恩返しの思いがあるという。来年1月には地元でジュニアゴルフ大会を開催する意向も持っている。
ソフトボール愛にあふれる渋野による、地元への大きな恩返しだ。12月に自らが主催するソフト大会を開催する計画が判明した。トップアスリートが他競技の大会を手がけることは極めて異例となる。
5月のワールドレディスサロンパスカップで初優勝した日の夜。小学校時代に指導を受けた平島スポーツ少年団ソフトボール部監督・岩道(いわどう)博志さん(72)に電話で「交歓大会を復活させたい」と申し出た。費用は賞金などで得たポケットマネーから全て支払う。教え子の粋な提案に岩道さんは「普段、日向子とは電話はせんもんで、何じゃろと。理由は何も言ってなかったけど、恩じゃろ」とうれしそうに明かした。
交歓大会は、岡山市の小学生のソフトボールチーム12~13チームを招待し、トーナメント形式で開催。2015年まで毎年8月に行われたが、16年以降は諸事情で開催が見送られていた。渋野はツアーオフ期間の12月に開催する意向を示したという。小学6年で参加し、チームを卒業した後の作陽高時代にも手伝いに来て、かき氷を振る舞った思い入れの強い大会だ。
08年北京五輪金メダルのソフトボール女子日本代表の上野由岐子(37)への憧れが“ソフト愛”を強くする。地元に帰れば少年団に顔を出す。「ソフトボールは癒やし」と、子供と一緒にキャッチボールをしたり、ノックを打つこともある。
五輪イヤーとなる来年1月には、ジュニアゴルフ大会開催も検討中。こちらも自ら発案し、全面的にバックアップする。場所は中学時代に腕を磨いた岡山・長船CCが有力で、原点の地でジュニア育成を図る。当時は、隣の打席で打っていた地元の人がお菓子をくれたり、「頑張って」と声をかけてもらい、故郷に育てられた恩義を感じている。母・伸子さん(51)は「皆さんがルールやマナーも教えて下さった」と感謝する。
この日の帰国会見でも渋野は「ツアーに応援に来てくれるジュニアがだんだん増えて、私みたいになりたいと言ってくれている。頑張らないといけない」と思いを語った。ゴルフとソフトボールの両競技で“シブコ・キッズ”発掘へ動き出す。
◆ゴルフ界の主なジュニア支援 石川遼が発案して開催したフューチャーツアーでは、18年12月の埼玉縣信用金庫招待の2日目にジュニアを招待して各組2人がプロ1人と回った。丸山茂樹が主宰するジュニアファンデーション(千葉・浜野GC)は今年7月で18回目。宮里藍さんは9月にジュニアが出場する宮里藍インビテーショナル(宮城・松島チサンCC松島・仙台C)を開催予定。