158センチ比嘉一貴、大会新通算26アンダーで最小兵V「小さい人を勇気づけられたら」


 ◆男子プロゴルフツアーRIZAP・KBCオーガスタ 最終日(1日、福岡・芥屋GC=7103ヤード、パー72)

 首位で出た比嘉一貴(24)=フリー=が1イーグル、5バーディー、1ボギーの66をマーク。大会最多アンダーパー記録を4打更新する通算26アンダーで初優勝を飾った。身長158センチは1999年の日本ゴルフツアー機構発足後、最低身の優勝者。16年大会覇者で、ツアー最多タイの3戦連続優勝を目指した石川遼(27)=カシオ=は最終18番で「誤所からのプレー」で2打罰を受け、15アンダー13位だった。

 ツアー最小兵の24歳が地元・九州で大仕事をやってのけた。最終18番。5メートルのイーグルパットを沈めると、比嘉は右拳を力強く振り下ろした。11年の裴相文(韓国)らの22アンダーを4打更新。「アマチュアの頃から2位が多くて…。周り(の選手)よりも記録更新だけに集中していた」。グリーン脇でゴルフに導いてくれた父・洋さん(57)と歓喜の抱擁。目を真っ赤にした。

 小柄ながら幼少時から運動神経は抜群だった。ハンドボールで小学生の時に九州選抜入り。10歳で父と初めてコースに行くと、17ホールを98で回った。中学時代は腕相撲が学校一強く「遊びに行くにしても練習してから。ゴルフは歯磨きみたいなもの。風邪を引いても365日、体を動かさない日はない」。飛距離のハンデを補うため筋トレも欠かさない。今季平均飛距離286・95ヤードは56位で「小さい人を勇気づけられたら。小さいのは仕方ない。その中でどれだけできるか」と、うなずいた。

 賞金ランクは8位に浮上。次の目標は、開幕前週の同7位までが出場権を獲得する日米共催のZOZOチャンピオンシップ(10月24日開幕、千葉・習志野CC)だ。「同じ舞台に立てるように」と大学の先輩・松山英樹(27)との再会を夢見ている。(榎本 友一)

 ◆比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年4月23日、沖縄・うるま市生まれ。24歳。10歳からゴルフを始め、沖縄・本部高では宮里藍さんの父・優さんに師事。東北福祉大では2015年ユニバーシアード団体&個人金メダル。16年の日本オープンでベストアマ。18年は賞金ランク60位で初シードを獲得。158センチ、67キロ。家族は両親と姉、弟。

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