武藤俊憲、4年ぶり7勝目「うっぷんを晴らすような、いいゴルフができた」


通算21アンダーで優勝を果たし、仲間から手荒い祝福を受ける武藤俊憲(中央左)

通算21アンダーで優勝を果たし、仲間から手荒い祝福を受ける武藤俊憲(中央左)

 ◆男子プロゴルフツアー パナソニックオープン最終日(29日、兵庫・東広野GC)

 武藤俊憲(41)=フリー=が8バーディー、1ボギーのベストスコア64で通算21アンダーとし、2015年ISPSハンダグローバルカップ以来、4年ぶりの通算7勝目を飾った。前週まで賞金ランク50位と低迷していたが、師匠と慕う谷口徹(51)の日本シニアオープン制覇に刺激を受け、賞金ランク10位へ浮上。今平周吾(26)=フリー=が17アンダーで2位。

 武藤は師匠の谷口、弟弟子の市原弘大(37)ら仲間からのウォーターシャワーの祝福を心地良さそうに浴びた。「4年ぶりのうっぷんを晴らすような、いいゴルフができた」。1打差の首位で出ると、1番で5メートル、2番で2メートルの連続バーディー。後続に一度も並ばれず12番からも3連続で伸ばし、2日連続64のベストスコアで逃げ切った。

 今季はトップ10が一度しかなく、試合前の賞金ランクは50位。06年(17位)から維持する賞金シード(現行は65位まで)も「落ちるのでは」と不安になった。優勝から遠ざかり「この世界に慣れちゃったのかな」と振り返るなど、守りに入っていたわけではないが練習量も減っていた。

 前週に日本シニアOPを制した谷口が「今週もやったるで」と意気込む姿を見て「頑張っている先輩がいるので」と奮起した。「谷口さんに負けない、って言いながら心の底はそうでなかった」。弱気だった以前の自分を変えた。日本ゴルフツアー機構の青木功会長(77)からも常々「俺は40歳過ぎてからピークがきた」と言われている。

 「(この優勝で)一歩進んだ」。娘2人と喜び「いいゴルフをしてもっと上を見ていきたい」と決意を新たにした。(岩原 正幸)

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