７番、バンカーから第２打を放つ
◆報知新聞社主催 男子プロゴルフツアー今季最終戦メジャー 日本シリーズＪＴカップ 第３日（７日、東京よみうりＣＣ＝７０２３ヤード、パー７０）
８位で出た時松隆光（２６）＝筑紫ケ丘ＧＣ＝が６バーディー、２ボギーの６６をマーク。通算６アンダーの首位に並び、昨年５月以来の４年連続の４勝目＆メジャー初制覇に王手をかけた。賞金ランク１位の昨季賞金王・今平周吾（２７）＝フリー＝は６９で回り、２打差５位。勝てば逆転賞金王となる南アフリカのショーン・ノリス（３７）＝ＪＯＹＸ＝は、７０で１打差３位をキープした。
今平が渋野日向子ばりの巻き返しを見せた。ボギー以下のホール直後でバーディー以上のスコアを記録するバウンスバックを２度達成した。圧巻は７番だ。３日間合計で２番目に易しい６番パー５でチャンスから３パットのボギー。「ロングでボギーを打って、気分悪かった」。渋野なら「クソ野郎」と自らを鼓舞するが、普段は冷静な男に珍しく火がついた。
７番第１打で「グリーンの近くまで運んだ方がいい」と、ギャンブルに出た。同組の石川ら多くの選手が右前方の広大なフェアウェーに刻むセオリー通りの攻めを選択する中、ドライバーを強振した。「少し低めに飛んだ。木に当たったらやばい」とヒヤリとしたが、林を越えてピンまで６５ヤードのバンカーに。第２打は高く上げてスピンをかける絶妙なアプローチで１メートルへ。「バーディーを取れて良かった。大きかった」と、“近道バーディー”に表情を緩ませた。
１２番のボギー直後にも、１３、１４番でショットをピンに絡めて連続バーディーを奪った。パーオン率はこの日の８８・８９％、３日間合計の７５・９３％といずれも１位。「ショットはいい感じ」と、２打あったノリスとの差を１打縮めた。「最終的に自分が優勝すれば賞金王もついてくる」と、連日同じ言葉を並べた。
気温５・６度の寒さ対策で、６日のラウンド後にユニクロでヒートテックのシャツを購入したが、結局着用は見送った。スイングしやすいよう袖を切ったものの、「準備はしたけど、いろいろ着るとごわごわしちゃうので、いつも通りでやった」と明かした。
ショットが好調な一方、３３パットと苦戦し、「やっぱりグリーン上がカギ」と、気を引き締めた。柏木一了キャディーからは、「ノリスがどうこうじゃなくて、最終日に爆発して勝てばいい」と背中を押された。首位とは２打差。今季２勝はいずれも短縮競技で“未知の世界”となる日曜日のチャージで賞金王の扉を開く。（岩原 正幸）