渡辺彩香「最高のお散歩」5年ぶり優勝の復活支えた2人の男


渡辺彩香(Getty Images/JLPGA提供)

渡辺彩香(Getty Images/JLPGA提供)

 ◆日本女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 最終日(29日、千葉・カメリアヒルズCC=6622ヤード、パー72)

 5季ぶり優勝を飾った渡辺彩香(26)=大東建託=が昨年6月から師事するプロコーチの中島規雅氏(45)と、契約するブリヂストンスポーツの用具担当・中原創一郎氏(45)が29日、渡辺の勝因や、復活の背景にあったドラマをスポーツ報知に激白した。

 復活Vから数時間後、ネット観戦した中島コーチの携帯が鳴った。「最高のお散歩だったでしょ!」―。いたずらっぽい声の主は渡辺だった。「感動したよ。最高だった。でも、今回が始まり。2勝目、3勝目に向けて頑張っていこう」と中島氏は笑顔で返した。

 今大会前、2人の目標は「予選通過できれば」だった。大会中も渡辺が気負い過ぎないように連日、LINEで「無観客だし、お散歩気分で楽しんできてよ」と送り出したという。昨年6月、中島氏は川口淳キャディーの紹介で渡辺と出会った。「右へのプッシュアウトに左へのチーピン(左に飛び出す)と、どん底でしたね」と振り返る。毎週試合に帯同し、練習ラウンドや大会中も毎ホールの1打ごとに細かくノートにつけてチェック。基本的なスイングは変えずに渡辺の悪癖の「上体のつっこみ」を徹底して注意。昔の動画も見せ、左から右へと大きな弧を描くフェードを徐々に取り戻させた。

 スランプのきっかけは16年7月の全米女子オープンだった。渡辺は「スライス幅の大きなフェードでは攻めきれなかった」と同大会後、ドローやストレート系の球を打つためにスイング改造。以来、左右に大きく曲がり、自慢の飛距離があだとなる深い底なし沼にはまった。「僕の夢は、また全米女子オープンに出て、質の高いフェードを打って、優勝争いに加わること」と中島氏はうなずいた。

 一方、国内外でツアー担当を務める中原氏は14年から渡辺を担当。「成績が出なくてもいつも明るく一生懸命。常に練習やトレーニングも全力で取り組む」とその姿勢を評価する。昨秋の予選会(QT)前、様々なドライバーを試した渡辺から新製品ではなく「感触のいい14年モデルを使ってもいいですか」と頭を下げられた。その必死な姿に会社側の許可を取り付け、渡辺は19位で今季前半戦出場権を獲得。今大会は同モデルで優勝した。「パットの時に転がりのイメージが出しやすい」と今年発売されたブリヂストンの直線入りの新球も使用。「涙が出ました」と中原氏は最高の恩返しをかみしめた。(榎本 友一)

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