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練習R、5番でティーショットを放つ石川遼。2度目の賞金王を狙う
国内男子プロゴルフツアーの21年初戦、東建ホームメイトカップは15日から4日間、三重・東建多度CC名古屋(7081ヤード、パー71)で無観客で行われる。ツアー通算17勝の石川遼(29)=カシオ=は14日、マスターズ王者となった同学年の松山英樹(29)=LEXUS=の偉業に刺激を受け、20―21年のロングシーズンで、12年ぶり2度目の賞金王を目指す考えを明かした。
盟友の歴史的な快挙に勝負師の血が騒いだ。21年初戦前日。石川は最終調整後、松山の日本人初メジャー制覇について報道陣から聞かれた。「すごいな、という気持ち。自分も続けるように頑張りたい。すごく刺激を受けました。モチベーションにもなるし、勇気づけられました」と、うなずいた。優勝後、LINEで祝福のメッセージを送ったという。
13年から5年間、米ツアーを主戦場とした。松山と同じ舞台にいたからこそ、「英樹のすごさ」は誰よりも理解している。再びそこに戻って初Vをつかむため、昨年から田中剛コーチ(41)と二人三脚で高い再現性を求めてトップの浅い新スイングに取り組み、データを生かしたマネジメントを導入。「焦らずに継続してやり続けること」と努力を重ねている。
日本ツアーはコロナ禍で20―21年統合シーズンとなり「試合数が多くて期間も長い。運の要素がなくて、その中で一番上になることには、すごく価値がある。そこを目指しています」と日本ツアー史上最年少18歳で賞金王となった09年以来の返り咲きを目標に掲げた。
この日、18ホールの練習ラウンド(R)では、弾道測定器を使い、アイアンショットを確認しながら回った。今オフもトレーニングに励み、体はひと回り大きくなり「キャリーの数字と(球の)スピン量を見ていました。向かい風の時に、どれくらいの距離を打つべきなのかの答え合わせをしていました」と風の強いコースへの戦略を練った。
今大会は約7年ぶりに妹・葉子さん(24)をキャディーに起用する。「リラックスもあるし、弟も今大会には出させていただいていたので」と長男として、たくましい背中を見せるつもりだ。過去6度の出場で、18年の2位を最高に4度のトップ10入りと相性はいい。まずは自身初の“初戦V”に挑む。(榎本 友一)
◆五輪諦めない
石川は、松山との東京五輪競演の夢も追いかける。世界ランクは日本勢4番手の134位。逆転での代表切符獲得には6月末の五輪代表決定期限までに複数回優勝が不可欠な状況だ。「ゴルフが五輪種目になって、東京で開催されるというのはゴルフ界にとってもすごく意味がある。順位的には厳しいですが、できる限りを、と思っています」と不屈の闘志をみなぎらせた。