松山英樹、マスターズⅤつなげたメンタル成長「怒らずミスは受け入れよう」


 米男子ゴルフのメジャー、マスターズ(8~11日、米オーガスタナショナルGC)で日本人&アジア人で初制覇を成し遂げた松山英樹(29)=LEXUS=が14日、帰国後のオンライン会見を行った。東京五輪まで100日のタイミングで改めて「金メダルに向けて頑張りたい」と決意表明。自身を目標にする子どもたちのためにも、米ツアーを主戦場としながら4大メジャー制覇に挑んでいく。

 松山は優勝者だけが着られるグリーンジャケットに青色のネクタイ姿で、柔らかい表情を浮かべた。40分間のオンライン会見では一つ一つの質問に丁寧に応じた。「日本に帰ってニュースを見て、すごいことしたんだなと実感した。日本人でもグリーンジャケットを着ることができると証明できた」と胸を張った。

 世界中に底力を示した熱戦の興奮冷めやらぬ中、「終わって本当に疲れた。今までにない感情をまだ感じている」と本音ものぞいた。自主隔離後は未定だが、しばし国内で静養に努めるという。5月から米ツアーに出場し、次のメジャーは全米プロ(同20~23日)。6月の全米オープン、7月の全英オープンと続く。「初めてクラブをあまり握りたくないと思う状況。余韻に浸って、またゴルフがしたいと思えたら、目標を決めて頑張りたい。またメジャーで勝てるように」と続けた。

 そして、100日後には1年延期された東京五輪が開幕する。「どうなるか分からないけど、無事開催されたら、金メダルを目指して頑張りたい」。自国五輪が凱旋試合となる可能性もあり、頂点だけを見据えた。

 偉業達成にはメンタル面の成長もあった。前週のテキサス・オープン(30位)で「2日目以降良くなくて、キャディーの早藤(将太)にも当たったり、チームに迷惑をかけた。『何やってるんだろう』って、はっと気づいた」と語り、「今年はまだトップ10がない。怒らず、ミスは受け入れよう」と思えたという。技術的には、目沢秀憲氏(30)を13年のプロ転向後初めてコーチとして迎え「今までと違う感覚でプレーできている」と分析。マスターズ前日(7日)に「今週はいけるかもしれない」との感情を抱いたと振り返った。

 12打差で圧勝した97年タイガー・ウッズ(米国)を見てマスターズに憧れた。「(今度は)子どもたちが僕みたいになりたいと思ってくれたらうれしい。まだまだ活躍しないと、目指そうと思ってもらえない。10年、15年、長く一線で活躍できるように」と、歩みを止めずに鍛錬を続ける。(岩原 正幸)

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