工藤公康監督の長女・遥加が耐えて首位死守 プロ11年目で悲願の初V狙う


18番、ティーショット前に笑顔を見せる工藤遥加 

18番、ティーショット前に笑顔を見せる工藤遥加 

◆女子プロゴルフツアー リゾートトラストレディス 第3日(29日、愛知・セントクリークGC=6605ヤード、パー72)

 首位から出た工藤遥加は1バーディー、2ボギーの73で通算9アンダーにスコアを落としたが、首位を死守した。プロ野球ソフトバンク工藤公康監督の長女はプロ11年目で悲願のツアー初優勝を目指す。

 逸材がそろう1998年度生まれ「黄金世代」の勝みなみと新垣比菜が1打差2位で追う。2打差の4位は18歳のアマチュア岩井明愛。ツアー史上8人目のアマ優勝のチャンスを残した。今年12戦で5勝と絶好調の稲見萌寧は首位と5打差の11位。

 順位が大きく動くことで「ムービングサタデー」と呼ばれる第3日。工藤は冷静なプレーで順位を動かさず、トップを守った。「きょうはピンポジションが難しかったのでイーブンパーなら上出来と思ってスタートしました」ゲームプランより1打多い73で第3ラウンドを乗り切った工藤は、落ち着いた口調で話した。

 父はプロ野球ソフトバンク工藤公康監督。今大会、工藤が大活躍しているが、一切、連絡はないという。「母からは連絡がありましたが、父からは連絡はありません。『そっとしておこう』と思ってくれているのだと思います」と工藤は柔らかな笑みをたたえながら話した。巨人を相手に圧倒的な強さを誇るホークスを率いる指揮官は、勝負師だからこそ分かる心情でまな娘を気遣っている。父の気持ちが分かるだけに、期待に応えたい。「お父さんが頑張っているので、私も頑張りたい」ときっぱり話した。

 2019年サマンサタバサレディースでは3位で最終日を迎え、最終組でプレーしたが、2つスコアを落として13位に終わった。同じ最終組で回った「黄金世代」の小祝さくらがツアー初優勝した。明日(30日)の最終日は、同じく黄金世代の勝みなみ、新垣比と回る。「黄金世代の選手はみんなうまいですね。一緒に回るのが楽しみです」と工藤は前向きに話す。

 父は現役投手として通算224勝。監督として5度の日本一に輝いている。プロ11年目。今度こそ、父のような勝負強さを発揮し、初優勝を狙う。

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