2年前とは別ルートでの連覇を誓った石川遼 「スコア的に目指すのは19年大会の自分。道のりは違います」


プロアマ戦で調整する石川遼(カメラ・山崎 賢人)

プロアマ戦で調整する石川遼(カメラ・山崎 賢人)

◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ プロアマ日(18日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)

 肌寒い雨の中でプロアマ戦が行われ、2019年大会覇者の石川遼(カシオ)は元気に半袖ウェア姿で、厚みを増した上半身を印象づけて最終調整した。19年大会は67で首位発進すると66、67、68で回って通算20アンダーで首位をひた走っての完全優勝を飾った。

 3年越しの連覇がかかるが「2年前のこの大会は、今までの僕のゴルフ人生の中でもベストゲームの1つ。ボギーも少なく抑えられたので、スコア的には目指すのは19年大会の自分。でも、スイングやクラブセッティングなどほとんどのものが変わっているので。道のりは違いますね」と独特の言葉で、この大会初の連覇達成に向けた気持ちを語った。

 前戦の7月のメジャー、日本プロ選手権後、約1か月半のオフはトレーニングを主体に過ごした。「まだスイング作りの段階」とラウンドよりもショット練習に多くの時間を割いてきたという。ドライバーは、さらなる飛距離を追い求めて6月の全米オープンから投入した47・5インチの長尺のまま。田中剛コーチと全米オープンで得た課題と収穫を話し合い、「よりいいスイングプレーンで、ドローを打っていきたい」と今後の方向性も確認してきた。

 練習場では右から左に1、2M曲がる理想の弧を描くドローボールが増えつつあるという。「コースの中ではまだ真っ直ぐ。まだちょっとクラブの入りが違うんだな」と実感もしている。「今はすごく楽しいですし、この先すごく強くなった自分を信じていますし、イメージもしています。形が変わったらすぐに結果に結びつくわけではないし、なじむまでに時間もかかるけど。すごく実感はできていますね」と充実感を漂わせた。

 また、オフの間に東京五輪をテレビやネット観戦で楽しんだという。「(サーフィンの)五十嵐カノア選手の準決勝の360度回った技を見たときに、衝撃を受けました。感動して涙が出た時もあったし、一スポーツマンとしてすごく楽しかったし、五輪ってこんなにすごいんだなと正直、思いましたね」。

 また、2016年リオ五輪から正式競技に復帰したゴルフの盛り上がりも感じたという。「ゴルフもすごく面白かった。期待の何倍も盛り上がったのかな、と。五輪にゴルフが入ったことで、テレビやネットで見てSNSで応援してくれたり、ゴルフに関するつぶやきも多かった。視聴者数は比べものにならないのは肌で感じたし、(松山)英樹と稲見選手はすごすぎるなと思いましたね」と振り返った。一方で、陸上や競泳などの競技で男女混合のリレーが行われたことなどを指摘し「めちゃくちゃ面白かった。ゴルフも個人戦と、何かあっても面白いのかなと思いましたね」と24年パリ五輪以降、ストローク戦の他に男女ペアマッチなどの開催にも期待を込めた。

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