松山英樹 大当たり首位浮上!「ファー!」ドライバー曲げても観客に当たって帰って来た


12番、バーディーを狙う松山英樹。通算8アンダー1位(カメラ・山崎 賢人)

12番、バーディーを狙う松山英樹。通算8アンダー1位(カメラ・山崎 賢人)

◆米男子プロゴルフツアー ▽ZOZOチャンピオンシップ 第2日(22日、千葉・アコーディア習志野CC=7041ヤード、パー70)

 日米通算15勝目を狙うマスターズ覇者の松山英樹(29)=LEXUS=が単独首位に浮上した。1打差2位で出て3バーディー、1ボギーの68で回り2位に1打差の通算8アンダー、国内では約5年ぶりのトップに躍り出た。12、9番でティーショットを曲げ万事休すもボールがギャラリーの傘に当たりコースに戻るなど、ピンチを回避する幸運にも恵まれた。66をマークしたキャメロン・トリンゲール(米国)が1打差の2位。

 日本のエースが大観衆の“後押し”を受けた。前半の12番だ。「ファーッ!」―。ドライバーショットを右へ大きく曲げると、松山の大声がこだました。林へ一直線の打球は女性の持つオレンジ色の傘に当たって右ラフで止まった。最終9番もドライバーで左林に曲げたが、木と女性に当たって左ラフへポトリ。ともに女性、まさに“幸運の女神”の支えで林での大叩きを回避。パーセーブした。四方を取り囲んだ観客にピンチを救われ「タフな一日でしたけど、2つ伸ばせて良かった。寒くて雨の中、これだけの方が来てくれてうれしい」と感謝した。

 降り続く雨に手がかじかむような寒さ。第2ラウンド(R)は、フェアウェーキープは6度のみでグリーン上も計33パットと苦しんだ。コロナ下の有観客大会では国内男女を通じて最多観客数を2日連続で更新した。「たくさん来てくれたので集中力を切らすことなく出来た」と松山。悪条件下で安定感が際立った。「グリーンに乗っているのが一番大きい」とパーオン率は88・89%で2日連続で全体1位。同組で無観客開催の東京五輪の金メダリスト・シャウフェレ(米国)、銅メダルの潘(台湾)が崩れる中、同4位だった松山が生命線のアイアンを武器に雪辱した。

 国内では16年11月の日本ツアー、三井住友VISA太平洋マスターズ以来の首位浮上。2年前のこの大会は、憧れのウッズ(米国)との優勝争いの末3打差2位と惜敗した。それでも、同大会初日からコースとは相性抜群で6R連続で60台を継続中だ。「半分終わったところで、上にいるということはすごく大事なこと。残り2日間で良いプレーができるように頑張りたい」。マスターズ王者は日本男子初の日本開催米ツアー制覇で、国内のファンに恩返しする。(榎本 友一)

 ◆松山の2日目終了時首位 日米14勝中で5度。日本ツアーでは8勝中4度あり、米ツアーでは6勝のうち16年秋のHSBCチャンピオンズ(中国)の1度。同大会では3位から出た2日目に65で首位に立つと、その後も68、66で回り、23アンダーで2位に7打差の圧勝となった。4月のマスターズでは2日目は71で6位も、3日目に65で回り、首位に立った。

最新のカテゴリー記事