河本力、国内男女きょうだいプロ4組目の優勝&今季新人初Vを狙う「自分のことだけに集中」


18番ホール、河本力は第3打のバンカーショットでグリーンにのせる(カメラ・岩田 大補)

18番ホール、河本力は第3打のバンカーショットでグリーンにのせる(カメラ・岩田 大補)

◆男子プロゴルフツアー ▽Sansan・KBCオーガスタ 第3日(27日、福岡・芥屋GC=7191ヤード、パー72)

 大型ルーキーの河本力(22)=フリー=が、逆転で国内女子ツアー1勝の姉・結(23)=円写真=に続き、国内男女きょうだいプロ4組目となる優勝&今季新人初Vを狙う。首位タイで出て抜群の飛距離を武器に5バーディー、2ボギーの69で回って通算14アンダー。首位と1打差2位で、自身ツアー初となる最終日最終組に入った。李尚熹(イ・サンヒ、30)=韓国=が15アンダーで単独首位に立ち、ツアー初Vに王手をかけた。

 河本が「力」の名前の通り、規格外のパワーでギャラリーを魅了した。183センチ、86キロの体格で、プロ1年目ながら今季平均飛距離はツアー1位の323・75ヤード。アイアンも高弾道で、硬く締まったグリーンでもピンそばに止め続けた。3番は右下2・5メートルにつけてバーディー。5番は左ラフからピン右1・5メートルに止めて伸ばして、喝采を浴びた。

 「できないことをするのじゃなくて、できることだけをする。自分のことだけに集中しています」。ラウンド後、報道陣に囲まれると、分厚い胸を張った。

 昨年9月のパナソニックオープンが転機となった。日体大の1学年下の後輩・中島啓太(22)が、ツアー5人目のアマチュアVを達成。一方、当時アマだった河本は、中島と同じ1打差4位で迎えた最終日に2ボギー、2ダブルボギーの78と崩れて10打差20位に終わった。冷静なプレーで偉業を成し遂げた後輩の雄姿に「落ち着いていた。自分はアグレッシブを超えた攻めをして、やるべきでないことをやっていました」と猛省。プロとなって以降は、無理のないゴルフで流れとスコアを作るように考え方を改めた。

 ツアー初めての最終日最終組だ。19年3月のアクサレディスでは姉・結のキャディーを務め、最終日最終組から逃げ切っての初優勝をサポートした。「明日も目標は4アンダー。絶対緊張するだろうけど、自分のことだけに集中して優勝できたら」。冷静なマネジメントと迫力のある豪打で、姉と同じルーキーVをつかみ取る。(榎本 友一)

 ◆河本 力(かわもと・りき)2000年3月3日、愛媛・松山市生まれ。22歳。7歳から姉の影響でゴルフを始め、15年の四国ジュニア選手権秋季大会優勝。松山聖陵高で17年の全国高校選手権春季大会優勝。20年日本オープン5位でローアマを獲得。21年9月の下部ABEMAツアー「TIチャレンジ東条の森」で4人目のアマチュア優勝。21年12月にプロ転向。家族は両親と姉。183センチ、86キロ。血液型O。

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