◆報知新聞社主催 国内男子プロゴルフツアー 今季最終戦メジャー 日本シリーズJTカップ 最終日(4日、東京よみうりCC=7023ヤード、パー70)
谷原秀人の家族は、約7年ぶりに会場で優勝の喜びを味わった。元アイドルの「ココナッツ娘。」だった妻・絢香さん(41)は長男・悠人君(11)、生後6か月の長女・悠香ちゃんとともに、谷原に内緒でサプライズ観戦。家庭では子煩悩な良きパパは、ゴルフ初観戦の“小さな勝利の女神”にも背を押され、大会連覇を飾った。
小さな“勝利の女神”は、クラブハウス周辺で母に抱かれながら初めての勝利の瞬間を迎えた。「谷原には内緒で」と絢香夫人は乳飲み子の長女・悠香ちゃんと後半途中で会場入り。「赤ちゃんが泣いたりすると迷惑をかけちゃうので」とじっと最終18番で夫が現れるのを待った。「去年は妊娠中で、自宅で一人うれし泣きしていました」と振り返った。長男・悠人君は17番パー5を観戦し「イーグルかバーディーなら優勝できると思っていた」。単独首位に立つバーディーを見届け、父に拍手を送った。
ホールアウト後、谷原はファンにサインをしながら後続組を待ち、そこに愛息が姿を見せ、観戦が判明。長男は「パパは格好良かった。すっごくうれしい」とウィニングボールを大事そうに受け取った。
今年1月に選手会長に就任。昨年大会優勝で3年シードを獲得し、今年は海外ツアーに積極参戦。妻が長女の面倒で大変な姿を見て「俺が悠人を連れて行くよ」と長男の小学校の約3か月の夏休み期間は米国、英国、UAEなどを2人で転戦。料理や洗濯などもこなし、パパ業との二刀流を見事に演じた。
日本では試合から帰宅すると、疲れた顔も見せずに長女の子守も手伝うという。「おむつを替えてくれたりお風呂に入れたり、洗ってくれたり。お世辞抜きでめちゃくちゃ良いパパです」と絢香夫人は感謝する。
今季日本ツアー26戦で岩田に続く2人目の40代優勝者に。「毎週月曜日にトレーニングに行くのはもうずっと。試合の約3時間くらい前に起きて、部屋でストレッチやトレーニングをしてから試合に臨んでいます」と妻は選手生命の長さの秘訣(ひけつ)を明かした。「この頃は自分のゴルフの向上のためにひたすら日々過ごしている感じで、本当に尊敬しています。長女は成人までまだ20年ありますからね」と絢香夫人は笑う。強くて優しい一家の大黒柱の戦いは、まだまだ続く。(榎本 友一)