畑岡奈紗、初めて首位で迎えたメジャー最終日「こういう重圧なんだ」プレーに硬さ、無念の4位…記者が見た


◆米女子プロゴルフツアー 今季メジャー第3戦 全米女子オープン 最終日(9日、ペブルビーチGL=6509ヤード、パー72)

 【モントレー(米カリフォルニア州)9日=岩原正幸】1打差の首位で出た畑岡奈紗(24)=アビームコンサルティング=は1バーディー、5ボギーの76と伸ばせず、通算3アンダーの4位に終わった。9番まで首位に並び、メジャー初制覇に迫ったが後半耐えられず。プレーオフで敗れた「2年前より悔しい」と振り返った畑岡の戦いぶりを「見た」。ハワイ出身の伏兵、アリセン・コーパス(25)=米国=が9アンダーでツアー初優勝をメジャーで飾った。

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 左側一面に広大な太平洋の美しい眺めが印象的な18番。肩をすくめ、フェアウェーを歩く畑岡の姿から悔しさが伝わった。コーパスがウィニングパット後、最初にハグを交わして仲間から水をかけられ、祝福される光景を目を背けずにじっと脳裏に焼き付けた。「こういう結果になって本当に悔しい。最後の景色、悔しさを忘れず、これからも努力したい」と気丈に語った。

 メジャー27度目の出場で、トップで最終日を迎えるのは初めて。「こういう感じの重圧なんだ、と感じた部分もある」。朝はバイクをこぎ、普段通りにウォームアップを完了。スタート前の練習場では適度な集中力を保ち、順調なように見えた。だが、コースに出るとプレーや歩き方に硬さが感じられ、比較的易しい3番でボギーが先行など「昨日までしっかりパーセーブできたところ、2~3メートルが決まらなかった」と悔やんだ。

 ベストスコア「66」を記録した第3日のパット数「24」から最終日は「33」を要した。前日の後半4バーディーに対し、この日は4ボギー。コーパスと2サムの最終組には500人超のギャラリーがついた。日の丸を手にした日本人も多く、アウェー感はなかった。大半は米国人ファンで、良いプレーには拍手というスタイルのため、徐々に相手に流れが傾いたように見えた。

 米ツアー参戦7年目。メジャーでは2位が2回(ともにプレーオフ負け)。同じカリフォルニア州にあるオリンピックCで行われた21年大会は6打差6位から最終日68の猛追も、笹生優花に敗れた。「今年は自分が勝てる位置と分かっていながらプレーした。こっちの方が悔しい」。2年前と違い、逃げ切りを図るも手が届かず「上にいても、伸ばせないと難しくなる」と険しい表情を浮かべた。

 メジャーを勝つ難しさについて「本当に近くまで来ている感覚はあるが、コース上で最後一つやり切れていない。もっと自信を持ってできるように」と口にした。一時帰国後、次戦は27日開幕のメジャー第4戦、エビアン選手権(フランス)だ。「また次、こういうチャンスをつくれるように」。刻み込んだ悔しさの分だけまた強くなると信じている。

 ◆奈紗に聞く

 ―試合を終えて。

 「昨日と同じように攻めていく気持ちでやっていたが、それがうまくできずに悔しい。パットが決まらなかったのが、全体的にいい流れで回れなかった原因だと思う」

 ―「世界一美しい」と呼ばれるペブルビーチで、女子メジャーを初開催。

 「本来であれば優勝してカップに名前を刻みたいというのが一番の目標だったが、ここでプレーできたのは幸せ」

 ―14番で4差に開いた。

 「バックナインからが勝負だと自分でも思っていたが、14番の取りたいところで落とし、勝負が決まってしまった。それ以外でも後半、チャンスメイクできなかった」

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