
ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープンでの活躍を誓った蛭田
女子プロゴルフで東北唯一のツアー大会、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン(報知新聞社後援)は22日から3日間、宮城・利府GCで行われる。福島出身で8月にツアー初優勝した蛭田みな美(26)=ユアサ商事=はアマチュア時代を通じて10度目の出場。大会前にスポーツ報知のインタビューに応じ、優勝後初の“凱旋試合”でパワーアップした自身の姿を東北のファンに見せることを誓った。(取材・構成=岩原 正幸)
―10度目の大会出場。ツアー優勝者として東北に戻ってくる今の心境は。
「地元(福島、東北)の方に見てもらえるいい機会だなと、楽しみにしています。いいプレーをしたいなっていう気持ちだけはあります」
―中学3年で2012年大会に初出場。15年大会は14位だった。
「最初に出場した時は、ただガムシャラにやっているだけでした。記事で大きく取り上げてくださって、うれしかったです。(アマで3回出場した)その頃が一番調子が良かったかもしれません(笑い)。その後、徐々にコースの難しさが分かってきた感じです」
―利府GCの印象は?
「グリーンが毎回速く、難しいなと思います。風が吹くと、15番(パー3)がとくに難しい。風でグリーン上も左右されるイメージです」
―8月のCATレディースではプレーオフの末、プロ8年目で悲願の初優勝を達成した。
「本当に運があったな、と今でも思います。(正規の18番で)3パット目がよく入ったなって。やっと、という気持ちと、でも(優勝争いが少ない中で)勝てるとも思っていなかったので、相反するものがあります」
―周囲もとても喜んでいたのでは?
「父(宏さん)がキャディーの時に勝てたのもうれしかったですし、巡り合わせなのかな。(鮫川村に一緒に住む)祖父母もすごく喜んでくれました」
―ジュニア時代、トミーアカデミーでお世話になった男子ツアー48勝の中嶋常幸氏(68)にも報告。
「『1勝目はまぐれでもできるから2勝目を目指して頑張れ』と言っていただきました。すごく冷静だなと、すぐに頭が冷えました(笑い)」
―今季はドライビングディスタンスが昨季から約10ヤード伸び、245・32ヤードで20位。飛距離アップで攻めやすくなった?
「セカンドショットの番手が一番手変わって、短いバーディーパットが増えました。230ヤードで越えるバンカーも多いので、ぎりぎり越えるくらいになってきました」
―これまで専属トレーナーを付けていなかったが、昨年12月にトレーナーの穂苅敦氏と契約した。いわき市のジムに週1回通い、指導を受ける。
「ジャンプのトレーニングでも、回数をやるのが目的ではなく、1回でどれだけ全力を出せるかということに重きを置いています。インパクトで伝わる感覚も、前より良くなり、一発の飛距離につながっています」
―今大会への意気込み、残りシーズンの目標をお願いします。
「(今週は)余裕を持った表情でいたい。飛距離が伸びたという点も見てもらえたら、うれしいです。優勝目指して頑張りますと言いたいですが、難しい利府を攻略して、まずは予選通過したいというのが最初の目標です。(最終戦のツアー選手権リコー杯まで)ショットの調子を維持して、チャンスがあれば(今季)もう1勝を狙いたいと思います。応援よろしくお願いします!」
◆蛭田 みな美(ひるた・みなみ)1997年7月15日、福島・鮫川村生まれ。26歳。3歳からゴルフを始める。福島・学法石川高2年の14年に日本女子アマ、15年に日本ジュニアを制し、アマ2冠。16年7月のプロテストに一発合格。18年に下部ツアーで1勝。今年8月のCATレディースでツアー初優勝。今季メルセデス・ランク18位。164センチ、57キロ。家族は両親、姉、兄。